矢野経済研究所は9月7日、国内における2016年度のクラウドファンディング市場の調査結果を公表した。
この調査では、クラウドファンディングを「購入型」「寄付型」「投資型(ファンド型)」「貸付型(ソーシャルレンディング)」「株式(投資)型」の5つに分類。年間の新規プロジェクト支援額を市場規模として算出した。
その結果、2016年度の国内クラウドファンディング全体の市場規模(新規プロジェクト支援額ベース)は、前年度比96.6%増の745億と大幅に拡大した。
類型別にみると、「購入型」が約62億円、「寄付型」が約5億円、「投資型(ファンド型)」が約3億円、「貸付型」が約672億円、「株式型」が約0.4億円。最も規模が大きい類型は「貸付型」で、全体の90.3%を占め、市場拡大に大きく貢献した。
「貸付型」では好利回りの案件に加え、大型案件の起案数が増加しリピートが高まった。
また、「購入型」では、2015年度に引き続き社会貢献性が高いプロジェクトが多数起案され、1億円を越える大型プロジェクトも成立。国民的人気グループの解散にちなんだ応援メッセージなど共感性の高いプロジェクトも起案され、新たな支援者の拡大も進んだことが背景にあるという。
同社では、2017年度の国内クラウドファンディング市場規模は、前年度比で46.2%増の1,090億400万円と予測しており、引き続き、大幅な拡大が期待できそうだ。