野村ホールディングスと大和証券グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行の大手4金融機関と米国R3は6月1日、ブロックチェーン技術を用いて、店頭デリバティブ取引の契約書を締結する実験を実施したことを公表した。
今回実験したのは、ISDAマスター契約と呼ばれる、店頭デリバティブ取引に関する基本契約書の締結作業。
通常、この契約締結の際、社内部署間の調整や取引相手との交渉が必要となるが、やり取りは電子メールが中心。このため、膨大な数の電子メールを保存・管理する必要がある。
今回はR3のブロックチェーン技術Corda(コーダ)を活用して、確認・合意内容を時系的な履歴として保存・記録した。確認内容を「見える化」し、合意内容の確実な保存・記録化を図ることで、交渉の効率化・短縮化が期待できるという。
実験にあたり、ビジネス要件の検討を5社で行い、分散型アプリケーションの開発については、野村グループと大和総研が共同で実施した。大手金融機関が協働してビジネス要件検討および開発に取り組むのは、世界的にも珍しい事例だという。
5社グループは今後、ISDAマスター契約だけでなく、様々な契約書締結や商品への応用も視野に入れながら、実用化の検討を進めるとしている。
(参照)野村ホールディングスのニュースリリース
http://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/holdings/20170601/20170601_a.pdf