矢野経済研究所は5月29日、国内の生命保険分野におけるInsurTech市場の調査結果を公表した。
この調査は、国内の生命保険会社、少額短期保険事業者、SIer、InsurTechベンチャー企業を対象にヒアリング等を行い、2016年度の国内InsurTech市場規模や将来動向をとりまとめたもの。
調査ではInsurTechを「健康増進型保険商品の開発」「疾病管理プログラム」「AIやチャットボットなどを活用した保険見直しコンサルティング」などの8領域に分類。各領域ごとの動向や市場規模が整理されている。
この調査結果によると、2016年度の国内InsurTech市場規模は約460億円。特にAIなどを活用した業務の効率化・高度化ソリューションが市場をけん引したほか、従来にはない生命保険会社による健康増進型保険や疾病管理プログラムの開発に向けたデータ収集などが進んだという。
今後としては、中央省庁や地方自治体が保有する公共データのオープン化が進むことで、健康増進型保険や疾病管理プログラムの開発が進むことが期待されるほか、保険領域におけるAPIの公開に向けた議論が進むと予想している。
同社ではこれらを背景に、2020年度にはInsurTechの市場規模が約1,100億円に達すると予測する。
国内のInsurTechも本格的な発展期に入ったと言えそうだ。