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金融庁長官がFinTechと規制の将来像について講演

金融庁は5月25日、同日に森金融庁長官がコロンビア大学ビジネススクールで行った講演資料を公開した。

この講演は「フィンテックは共通価値を創造できるか」と題されたもの。FinTechに関して「1.何が起きているか」「2.どんな新たな価値を創造しうるのか?」など6つの疑問を提示して、各疑問に対する森長官の仮説や考えが示される形でまとめられている。

まず「1.何が起きているか」に対しては、顧客のライフログの自動蓄積などにより、「供給側の論理によるマス定型商品の提供」というB2C型のビジネスモデルから、「顧客情報に根ざす共通価値の創造」というC2B型のビジネスモデルへの転換が進んでいるとした。

また、「4.新しいネットワークの姿は?」という疑問に対しては、金融機関が顧客とのハブとなるハブ型のネットワークを残しつつ、サービスの特性によって、多様なネットワークの姿が棲み分け・共存する金融システムへと移行していくとの予想を披露した。

さらに最後の「6.当局はどのような考え方で臨むべきか?」という疑問に対しては、第1に「経済の持続的な成長と安定的な資産形成を通じた国民の厚生の増大」という金融行政の究極的な目標に最もよく寄与できるかを基準に判断すべきとする。

そのために、必要な環境整備や障害除去をフォワードルッキングに行っていくことや、過不足のない弊害防止策を適時にとるよう目指すほか、金融機関に対しても、イノベーションの進展に伴い、「支店網やシステムなどが既存金融機関にとっては負の遺産」とならないよう、フォワードルッキングな経営を慫慂するとした。

歴代最強長官との異名もとる森長官の発言だけに、注目を集めそうだ。

(参照)金融庁のニュースリリース

http://www.fsa.go.jp/common/conference/danwa/20170525/02.pdf

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