全国銀行協会は5月16日、メタル回線以外の広域IP網をベースとした、新たな全銀プロトコル「全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)」を制定したと発表した。
今回新たに対応した広域IP網とは、インターネットやIP-VPNなど、回線事業者が提供するIP網をベースにした回線サービス全般を指す。
全銀協では、企業・銀行相互間のオンラインデータ交換において使用する標準通信プロトコルとして全銀プロトコルを制定しているが、適用回線としては、ISDNと一般公衆電話網(PSTN)と定めていた。
一方で、NTT東日本とNTT西日本では、ISDNや一般公衆電話網(PSTN)を、今後、広域IP網を利用した「メタルIP電話」に移行する方針を示しており、全銀協で対応が検討されていた。
検討にあたっては、現在の全銀プロトコルが企業・銀行間以外でも広く利用されていることから、既存の全銀プロトコル(TCP/IP手順)が規定する電文シーケンスや電文制御手順を可能な限り踏襲したという。
また、セキュリティ対策については、当事者間での検討結果に基づいて実装できるように、自由度を残す形にしたとしている。
ISDNやPSTNを使ってデータ通信を利用しているシステムについては、今後、新たな対応を迫られそうだ。