電通国際情報サービス(ISID)は5月15日、山口県のYKプランニングと業務提携し、企業の会計情報と金融機関の融資システムをクラウドで連携するプラットフォームを構築すると発表した。
今回の業務提携では、YKプランニングが、国内約100種類に及ぶ会計ソフトウエアの会計データを変換するサービス「bixid(ビサイド)」を構築し、ISIDは、収集したデータを金融機関の融資システムに連携するサービス「A∞B Link(エービーリンク)」を構築する。
両社がそれぞれ、マイクロソフトのクラウド「Microsoft Azure」上にサービスを構築し、本年10月のサービス開始を目指す。
YKプランニングは、独自の特許技術を用い、国内50メーカー100種類以上の会計ソフトのデータを一元的に取り込むデータ標準化ソフト「財務維新」を開発・販売している。今回の協業では、この「財務維新」の独自の標準化技術をクラウド化し、外部連携を可能にする。
さらに今後、「bixid」上で財務診断やキャッシュフロー分析、自社の決算データを活用した経営シミュレーションや自動予算策定システムなどのサービスメニューの提供も予定する。
一方のISIDは、「bixid」で取り込んだ会計データを、金融機関の融資業務に必要となる各種データ様式に合わせたフォーマットに展開し、融資システムやスコアリングシステムへの連携を可能にするサービスを開発する。
クラウド上のポータルサイトから対象企業のデータを一括ダウンロードできる機能のほか、個々の金融機関のニーズに合わせて、データの自動連携機能等のカスタマイズ開発も行う。
約80行への導入実績を有するISIDの融資支援ソリューション「BANK・R」に加えて、国内の主要な融資系システムとの連携にも対応予定だ。
また将来的には、金融機関が様々なFinTechサービスを活用して、より付加価値の高いサービスを取引先企業に提供するための情報基盤としての活用も想定していくとしている。