経済産業省は5月8日、FinTechに関して、日本としての目指すべき姿や政策の方向性について取り纏めた「FinTechビジョン」を公表した。
この「FinTechビジョン」は、昨年7月より同省が開催した「FinTech検討会合」における実務家や有識者の意見を、総合的な報告・提言として取りまとめたもの。3つの章で構成されている。
第1章では、世界中が「FinTech」で、どのように動いているかを概観。次に第2章では、FinTechが経済・社会にもたらす効果を家計や企業の目線から考察し、「目指すべきFinTech社会の姿」を提示している。
そして第3章では、その「目指すべきFinTech社会の姿」を実現するための課題と政策対応についても提言している。
具体的には、FinTech社会の実現に向け、政策指標を設定すべきとしており、「キャッシュレス決済比率」を海外並みに向上させることや、「バックオフィス業務のクラウド比率」を向上させることなどを提言している。
さらに、イノベーションに向けた実験を促す「レギュラトリー・サンドボックス」についても設置を検討するとしている。
提言内容としては良くまとまっており、今後実現に向けて同省の対応に期待したい。
(参照)経済産業省のニュースリリース
http://www.meti.go.jp/press/2017/05/20170508001/20170508001.html