日本IBMは4月10日、しんきん情報システムセンター(SSC)の「オープンAPI共通基盤」の構築を支援すると発表した。今年の12月中に稼働を開始する予定。
この「オープンAPI共通基盤」は、同一環境内で、複数の信用金庫と様々なFinTech企業との接続を可能にするマルチ・テナント型の共通API基盤。
日本IBMの「FinTech 共通API」を利用して構築され、口座情報照会、残高照会、入出金明細照会といったインタフェースを有するほか、FinTechサービスと既存インターネットバンキングなどをアプリケーション間で接続することができる。
日本IBMの「FinTech 共通API」は、APIの標準化を推進している「BIAN(Banking Industry Architecture Network)」の方式に基づいており、API管理・運用ソフトウェアなども有している。
「FinTech 共通API」では、すでに会計ソフトベンダーやFinTech企業と接続検証を実施した実績があり、日本IBMではSSCやFinTech企業との協業を支援していくという。
現在、金融庁は、銀行APIの公開を促進する改正銀行法案を今国会に提出中。これまで、メガバンクやネットバンク、一部の地方銀行において、銀行APIをFinTech企業に公開する取組みが続けられてきたが、信金業界では目立った動きは見られなかった。
今回のオープンAPI共通基盤が構築されることになれば、ほぼ全ての信金とFinTech企業との連携基盤が構築されることになる。オープンAPIの公開がさらに促進されることになりそうだ。