アクセンチュアは4月6日、2016年の全世界におけるFinTech企業への投資額の調査結果を公表した。2016年のFinTech企業への投資額は、中国で大型案件が相次いだことなどから、前年比10%増の232億ドル(約2.5兆円)に達したという。
地域別の内訳でみると、アジア・パシフィック地域が2015年の52億ドルから112億ドルへと2倍以上の増加となる一方、それ以外の北米・欧州などの地域では、投資総額は24%減少した。
アジア・パシフィック地域での投資金額面での増加は、主に中国と香港における案件によるもので、わずか3%の案件が投資総額の43%近くを占めているという。
これまでFinTech投資の中心地は、シリコンバレー、ニューヨーク、ロンドンだったものの、投資の中心がアジア・パシフィック地域(特に中国)に移行してきていると言える。
なお、日本における2016年のFinTech投資額は1億5,400万ドル(約168億円)となり、6,500万ドルであった昨年から倍増。ビットコインなどを含む決済関連が6,200万ドル(約67億円)規模となっており、最も多くの投資が行われたという。
アクセンチュアでは、欧米で投資額が減少した理由として、英国のEU離脱の決定が政治的な不確実性を増加させたことや、投資ブームへの懸念、評価額の上昇、大手FinTech企業のビジネスモデルに疑問符がついたことなどを挙げている。
FinTech投資額はブームの沈静化・成熟化が見られる一方で、投資案件数に関しては、依然として全ての主要地域で増加(2015年の約1,200件から約1,800件へと拡大)している。今後のFinTechビジネスの動向を注視したい。
(参照)アクセンチュアのニュースリリース
o