楽天証券は3月1日、ブロックチェーン技術を活用した本人認証サービスを開発すると発表した。実現すれば日本初となる。
このサービスは、セコムトラストシステムズ(STS)が、ソラミツのブロックチェーン技術「Hyperledger いろは (Iroha)」を使って開発する。
新しい本人認証サービスでは、ID・パスワードを顧客、金融機関、第三者機関であるSTSが分散保有し、3者の認証キーの突合により本人認証を実施するという。
楽天証券では、2017年10月を目途に本人認証サービスを展開するとしている。
以下に、楽天証券のニュースリリースを引用する。
ID・パスワードが不要に!楽天証券、日本初のブロックチェーン技術を活用した高セキュリティな本人認証サービスの開発、展開
楽天証券
2017/3/1
楽天証券株式会社(代表取締役社長:楠 雄治、本社:東京都世田谷区、以下「楽天証券」)は、日本初のブロックチェーン技術など最先端のFinTech技術を活用したID・パスワードを不要とする本人認証サービスの開発、展開を実施することになりましたのでお知らせします。本サービスは、セコムトラストシステムズ株式会社(代表取締役社長 林 慶司、本社:東京都渋谷区、以下「STS」)が、ソラミツ株式会社(共同最高経営責任者:岡田隆/武宮誠、本社:東京都港区、以下「ソラミツ」)のブロックチェーン及び『Hyperledger いろは (Iroha)※』の技術を前提とした、本人認証プラットフォームを開発します。楽天証券では、本プラットフォーム上で本人認証サービスの開発を行い、2017年10月を目途にサービスの展開を予定しています。
昨今、なりすましやフィッシング詐欺など、本人認証情報の不正な取得に関する脅威が従来にも増して高まっています。楽天証券では、ログイン時・お取引時に異なるパスワードを入力いただくことや、スマートフォンからのログインにあたっての生体認証(指紋認証)の導入など、お客様の本人認証の厳格化、高度化の取り組みを実施しています。お客様に更なる高セキュリティな環境を提供すべく、今回、新たな本人認証サービスの開発を進めていきます。
従来までは、お客様個人と金融機関の2者の間のみでの認証キー(ID・パスワード)による本人認証を行っていましたが、新しい本人認証サービスは、認証キーをお客様、金融機関、第三者機関であるSTSが分散保有し、3者の認証キーの突合により本人認証を実施するという、日本初の仕組みになります。新たな仕組みではID・パスワードを不要とすることで、認証キーの外部からの不正取得の懸念がなくなることを目指しています。
これらの認証は、楽天証券とソラミツの間で2016年8月より、共同開発を行ってきた『ブロックチェーン技術を利用した本人確認(KYC)システム』及び『Hyperledger いろは (Iroha) ※』の技術をベースとした「分散認証技術」を利用し、実現します。STSはセコムグループでの高度な情報管理技術・ノウハウを提供していくことにより、お客様に安心いただける環境での認証キーの分散保管を実現します。
将来的には、STSによる認証キーの分散保管に加えて、STSの高セキュリティな環境を利用した本人確認に係る各種業務の代行や、情報メンテナンス等を行うサービスを検討し、本人確認業務の安全性を高めながら、更なるイノベーションを目指してまいります。また今後急激に進化をしていくことが見込まれる生体認証方法の拡充にも容易に対応していくことが可能な仕組みとします。
楽天証券は、このサービスの提供を契機に、社会の発展を支える仕組みとなり、我が国金融サービスの生産性向上に寄与するよう、今後とも活動してまいります。
※Hyperledger いろは (Iroha):ソラミツ株式会社が開発し、Hyperledger Projectにおいて、世界でも3番目のIncubationプロジェクトとして採用されたブロックチェーン。独自開発の合意形成アルゴリズム「スメラギ」により、2秒以内のファイナリティを実現して、”対面型決済”、“KYC”、をはじめ金融業界のみならず様々な業界で利用できる汎用的なプラットフォームとなっています。 また、iOS、AndroidおよびWebのライブラリを用意していることから、モバイルプラットフォーム「いろは」としての利用も可能です。
(以下、省略)