みずほフィナンシャルグループとコグニザント社は2月23日、ブロックチェーン技術を使用した文書情報共有と独自通貨の実証実験を完了させたと発表した。
本実証実験では、みずほFGの子会社間でのデータ共有と、独自通貨の発行・送金を行うアプリケーションを開発した。
実証実験の結果、ブロックチェーン技術を用いることで多数のグループ会社が情報を共有するプラットフォームとしての有用性を確認したという。
一方で、ブロックチェーンでの大容量データ記録については技術面での改善必要性も確認したとしている。
以下に、みずほFGのニュースリリースを引用する。
【FinTech】~海外ITサービスプロバイダー協働による取り組み~ブロックチェーン技術および独自通貨に関する実証実験の完了について
みずほフィナンシャルグループ
2017/2/23
株式会社みずほフィナンシャルグループ(執行役社長:佐藤 康博、以下「みずほFG」)、Cognizant Technology Solutions(CEO: Francisco D’Souza、以下「コグニザント」)、およびコグニザントジャパン株式会社(代表取締役社長:竹内 友章)は、ブロックチェーン技術*1を使用した国境を越えた複数国間の文書情報共有ならびに独自通貨の実証実験を終え、新しいアプリケーションを完成させました。
本実証実験では、みずほFGと、金融業界向けサービス、コンサルティング、デジタルトランスフォーメーション等のノウハウを有する米国企業のコグニザントが協働し、<みずほ>の子会社間でのデータ共有及び独自通貨の発行・送金を通じたグループ内での更なる業務連携を要件とするアプリケーションを開発しました。従来の中央集権型システムと同等の堅固性を保ちつつ、より低コストな業務フロー構築の実現可能性について検証を行いました。
実証実験の結果、ブロックチェーン技術の主要な特徴である改ざんが困難な分散型データベースを用いることで多数のグループ会社が情報を共有するプラットフォームとしての有用性およびコスト削減が期待できることについて確認しました。加えて、エンティティを横断して使用するシステムインフラを簡便、低コストで導入する可能性を確認しました。一方でブロックチェーンでの大容量データ記録及びその管理については技術面での改善必要性を確認しました。
<みずほ>は今後もブロックチェーン技術の金融業務への適用に向けた検証を進め、早期の実用化に向け取り組んでいきます。
*1ブロックチェーン技術
信頼できる管理者が不在でも、参加者の合意形成ができる仕組みにより、取引が実現できる技術。取引の改ざんが事実上不可能であり、二重取引の防止や監査性に優れている等の特徴がある。資金決済分野、証券分野等のさまざまな金融業務への適用や、土地の登記記録への適用等、幅広い分野での活用が期待されている。
*2スマートコントラクト
契約交渉、契約履行を円滑に進め、契約履行条件の確認、契約履行の強制を行うための手順。契約や対象となる資産等を移転する諸条件がブロックチェーン上に表現され、記述された全ての条件が達成された場合、契約を履行する、または資産が台帳上移転するという仕組みをブロックチェーンにて実装できる技術。
(以下、省略)