監査法人トーマツは2月14日、仮想通貨取引やブロックチェーン技術による決済取引に対するFinTech監査推進チームを設立したと発表した。
このFinTech監査推進チームは、仮想通貨取引を行う企業や、仮想通貨交換業者に対する仮想通貨取引に係る監査を支援するほか、これら取引に必要とされる内部統制についても、同時にアドバイスを行うという。
以下に、トーマツのニュースリリースを引用する。
仮想通貨取引等の監査へ対応するためFinTech監査推進チームを設立
仮想通貨取引及びブロックチェーンに対し高品質な監査を行うための体制整備
有限責任監査法人トーマツ
2017/2/14
有限責任監査法人トーマツ(東京都港区、包括代表 觀恒平、以下トーマツ)は、今般、仮想通貨取引及びブロックチェーン技術(※1)を基礎とする決済取引に対するFinTech監査推進チームを設立しました。
2016年6月の資金決済法の改正に伴い仮想通貨取引が活発化することが予想される中、仮想通貨の基礎技術であるブロックチェーンに対応する監査体制の構築が必要となります。ブロックチェーン環境における監査においては、分散保管されている暗号化された電子データを前提とした監査手続を行うことが必要になります。この監査環境の変化に対応するため、新たなチームの組成により、高品質な監査体制を整えるものです。FinTech監査推進チームは、金融機関の監査経験者、大手金融機関での決済システムに精通した者、及び仮想通貨の基礎技術であるブロックチェーン技術に詳しい技術者で構成されます。
FinTech監査推進チームは、仮想通貨取引を行う企業及び仮想通貨交換業者に対する仮想通貨取引に係る監査手続の開発に加え、同取引に必要とされる内部統制についても、同時にアドバイスを行います。
また、仮想通貨取引以外の領域へのブロックチェーン技術の適用に関しても、監査対応を可能とすべく開発を進めます。ブロックチェーン技術は、仮想通貨や決済取引への利用にとどまりません。将来的にはスマートコントラクト(※2)による取引や課金の自動化、さらにはIoT技術により収集された情報のデータベース化等にも利用されることが想定され、これらは監査環境を劇的に変化させることが予想されます。
トーマツは、複雑化する社会の変化に向き合いながら一つずつ丁寧に取り組むこと、そして、既存の監査の概念や手法にとらわれず、未来を見据えた新しい取り組みを早期に現場へ導入していくことで、監査イノベーションを推進し、監査品質のさらなる向上を図ります。
※1 ブロックチェーン技術
多数のコンピュータが協調して動作することで、改竄できないデータベースを高い可用性で運用するテクノロジー。その信頼性は暗号技術、P2P(ピア ツー ピア)技術やコンセンサスアルゴリズムなどに支えられており、評価には高度な技術的知見が必要となる。
※2 スマートコントラクト
複数当事者間の契約をあらかじめ、プログラムとしてブロックチェーン上に記述することにより、所定の条件が満たされた場合に、自動的に取引の実行(売買またはサービス提供等)及び決済を行う技術。
(以下、省略)