NECと三井住友銀行、日本総研の3社は12月15日、NECが新たに開発したAI技術「予測分析自動化技術」を使ったデータ分析の実証実験を完了したと発表した。
以下に、NECのニュースリリースを引用する。
AI技術を活用したデータ分析自動化の実証実験について
NEC
2016/12/15
日本電気株式会社(本社:東京都港区、代表取締役執行役員社長兼CEO:新野 隆、以下「NEC」)と株式会社三井住友銀行(本社:東京都千代田区、頭取:國部 毅、以下「SMBC」)、株式会社日本総合研究所(本社:東京都品川区、代表取締役社長:渕崎 正弘、以下「日本総研」)は、多様化するお客さまのニーズを理解し、より良いご提案を実現するため、NECが新たに開発したAI技術(注1)「予測分析自動化技術」を使ったデータ分析の実証実験を完了、本格導入に向けた検討を開始しましたのでお知らせいたします。
SMBCは、これまで銀行内で蓄積された膨大なデータ(お客さま情報、入出金情報、アクセスログ 等)やオープンデータ(注2)を機械学習技術(注3)で横断的に分析することで、個々のお客さまのニーズを推定し、お客さまに合ったサービスのご提案を進めておりました。
しかしながら、従来の機械学習技術では、1つテーマを分析するために、複数のデータサイエンティストからなるプロジェクト体制と、2~3か月という時間がかかるという問題がありました。そのため、近年多様化しているお客さまのニーズ、そのニーズの背景、お客さまが提案を望むタイミングや手段等を推定するための細かな分析が十分にできないという課題がありました。
そこで、SMBCの新技術調査を行う米国西海岸駐在とNECデータサイエンス研究所の連携プロジェクトの一環として、NECが新たに開発したAI技術「予測分析自動化技術」の実証実験を実施いたしました。その結果、これまで2~3か月かかっていたデータ分析作業が1日に短縮でき、かつこれまでと同等以上の分析精度を達成できることを確認いたしました。また、従来のAI技術では難しかった、具体的な予測根拠(なぜそのような予測になるのか)が得られることも確認できました。
NECの「予測分析自動化技術」は、現在データサイエンティストが人的に行っている、ビッグデータの特徴量生成(注4)、モデル作成(注5)などの高度な分析作業を、AI(人工知能)によって完全自動化する技術です。この新技術により、熟練のデータサイエンティストが行う分析業務をAIに置き換えることで、自動的かつ短時間での実施が可能となります。
SMBCは、この技術によって、お客さまのニーズに関する仮説・検証の頻度を大幅に増やすことができ、また、複雑すぎて分析できなかった多種・多様なデータから、新たな付加価値を提供できるようになると考えております。
本実証実験の結果を受け、SMBC、日本総研およびNECは、予測分析自動化技術の本格導入に向け、システム設計などの検討を開始いたしました。
三社は、今後もお客さまへのより良いサービスのご提案を目指して、最先端のAI技術の利活用など先進的な取り組みに努めてまいります。
(以下、省略)