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イギリスとシンガポールの金融当局がFinTech分野で相互協力

イギリスの金融当局FCA(金融行為規制機構)とシンガポール金融当局のMAS(金融管理局)は、FinTech企業や投資家の相互進出を促進することを目的に、「FinTech Bridge」を形成することに合意した。

この「FinTech Bridge」では、双方の金融当局がFinTechに関する推進策や規制の情報交換などを行い協力する。これにより、イギリスのFinTech企業や投資家がシンガポールやアジアに進出することを後押しするほか、シンガポールのFinTech企業や投資家をイギリスに誘致する。

イギリス財務省の経済担当大臣であるハリエット・ボールドウィンは、ロンドンのFinTechイベントで以下のように述べている。

本日、シンガポールと協力して「FinTech Bridge」の開始を発表できることを嬉しく思います。これはイギリスとシンガポールのFinTech業界にとって大きなチャンスです。「FinTech Bridge」は両国間で、より深い金融・経済協力を行い構築します。シンガポールと一緒にこのBridgeを強固にすることで、イギリスとシンガポールの双方が、優れたFinTechセンターであり続けることができます。

イギリスもシンガポールも、金融センターとして魅力を向上させるために、FinTech企業の振興・誘致に積極的に取り組んでいる。両国ともヨーロッパとアジアの「FinTechハブ」になることを目指している。

イギリスではFinTech企業関連で2015年に約6.6億ポンド(約1,000億円)の売上をあげ、6万人を超える雇用を創出した。またシンガポールも5年計画でFinTechエコシステムを構築する国家戦略に取り組んでいる。

日本でも金融庁が5月16日から「フィンテック・ベンチャーに関する有識者会議」を開始し、FinTechエコシステムの構築に向けた具体的な議論を開始するところ。

今後日本においても、国家的なFinTechイベントの開催や、金融規制のサンドボックス制度の設立、他国の金融当局との連携など、国を挙げてFinTech企業の振興や誘致の取組みが望まれる。