マーケットプレイス融資業者(P2P融資とも言う)にとって新たな受難になる可能性がある。アメリカ財務省は5月10日、マーケットプレイス融資業者に対する監督強化を求める報告書を公表した。
米財務省はマーケットプレイス融資に関する機会とリスクを把握するために、RFI(情報提供依頼書)を公表済み。このRFIに対して、当該業界、消費者、学者、投資家などから約100の回答を得て今回の報告書を公表した。
この計42ページの報告書では、マーケットプレイス融資業界の動向や可能性をまとめた上で、各ステークホルダーの意見をレビューし、最終的には政策提言を行っている。
具体的な政策提言としては、中小企業の借り手の保護と効果的な監督、借り手の健全性の確認、借り手と投資家のために市場の透明性の確保などを求めている。特にマーケットプレイス融資における貸出債権の透明性が低いことを問題視している。
米財務省では今後、米国内のほかの金融当局とともにマーケットプレイス融資に関する常任ワーキンググループを設置して、さらなる検討を進める予定だ。
くしくも、レンディングクラブの「不適切な取引」やProsperの業績不振を受けて、マーケットプレイス融資業者に対する懐疑的な目線が注がれる中で、今回の報告書が公表されることになった。
今後検討されるマーケットプレイス融資業者に対する規制内容によっては、これまで劇的な成長を遂げてきたマーケットプレイス融資が、曲り角を迎える可能性がある。