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常陽銀行とTKC、中小企業向けのFinTechサービスを共同研究へ

茨城県の常陽銀行は4月20日、TKCと提携し、TKCが開発する新たなFinTechサービスについて共同で研究を行うと発表しました。

研究するサービスは、TKCの財務会計システム「FXシリーズ」等を利用する中小企業の了解のもと、TKC全国会会員(税理士、公認会計士)による信頼性の高い財務データを常陽銀行に提供できるようにするというもの。具体的には、中小企業の月次試算表や企業の最新業績データが常陽銀行に提供されるようになります。

常陽銀行ではこれらのデータを活用して、①融資申し込み手続きを簡素化する融資申込サービス、②新たな審査モデルの構築、③融資先企業の経営課題を解決するコンサルティングサービス―などの新サービスの検討を進める予定です。

TKCは同社の財務会計システムにおいて、インターネットバンキングやクレジットカード、電子マネーなど全国の金融機関の取引明細データを自動収集し仕訳計上を行える「FinTechサービス」の提供を本年6月より開始する予定。今回の提携により、TKC全国会会員とその顧問先企業および金融機関にとって、より付加価値の高いサービスの構築を目指すとしています。

中小企業の財務会計データを適時に取得し迅速な融資サービスに繋げる類似の事例として、マネーフォワード社が今夏のサービス提供を目指し開発を進めている「MFクラウドファイナンス」があります。また、海外ではKabbageやOnDeckなどが有名です。

これまで既存金融機関では、中小企業の商流データや財務データが十分には活用できていませんでしたが、今回の事例のように、FinTech企業との連携して、これらのデータを活用した融資審査の効率化や迅速化への取組みが顕在化しています。

今後、他の金融機関やFinTech企業が同様の動きを見せるか否か注目です。

以下に、TKCのニュースリリースを引用します。

中小企業の利便性を高める新たなFinTechサービスについて常陽銀行と共同で研究へ

TKC
2016年4月20日

株式会社TKC(本社:栃木県宇都宮市/代表取締役社長:角 一幸)は株式会社常陽銀行(本店:茨城県水戸市/取締役頭取:寺門一義)と業務提携し、TKCが開発する新たなFinTechサービスについて共同で研究し、その利用促進に取り組むことについて合意いたしました。

これは、TKCの財務会計システムを利用する中小企業の了解のもと、TKC全国会会員(税理士、公認会計士)が巡回監査に基づいた信頼性の高い財務データ(月次の試算表等)を常陽銀行に提供できるようにするものです。

これにより常陽銀行では、このデータを活用して①融資申し込み手続きを簡素化するシームレスな融資申込サービス、②タイムリーな資金調達を実現する新たな審査モデルの構築、③融資先企業の経営課題を解決するコンサルティングサービス――など中小企業の利便性を高める新サービスの検討をすすめていきます。

一方TKCでは、TKC全国会会員(税理士、公認会計士等)と常陽銀行の共通の顧客である中小企業の成長・発展を支援する新たなFinTechサービスについて共同で研究することにより、TKC全国会会員とその顧問先企業および金融機関にとってより付加価値の高いサービスの構築を目指します。

TKCは、常陽銀行とTKC全国会会員とともに中小企業の成長・発展を支援するとともに地域経済の活性化に寄与してまいります。

TKCの新たなFinTechサービス(案)

1.月次試算表提供サービス(仮称)

TKC全国会会員会計事務所の顧問先企業の了解のもとに、同会計事務所による巡回監査と月次決算の終了直後に、金融機関に対してモニタリング用の月次試算表等のデータを提供するサービス。

2.最新業績閲覧サービス(仮称)

TKC全国会会員会計事務所の顧問先企業の了解のもとに、金融機関が同会計事務所を経由して企業の最新業績を閲覧できるサービス。

(以下、省略)

 

(参照)TKCのニュースリリース

http://www.tkc.jp/news/2016/20160420