NTTデータは4月15日、電子記録債権版一括ファクタリングサービス「でんさいファクタリングサービス」を、4月18日より金融機関向けに提供を開始すると明らかにしました。
「でんさいファクタリングサービス」は、NTTデータが金融機関に提供する共同利用型の電子記録機関中継センター「DENTRANS」と連携し、一括ファクタリング業務(顧客が有する売掛債権を買い取って、代替で資金回収を行うサービス)で扱う売掛債権をでんさいネット上に記録するために必要となる各種機能を提供するサービス。
電子記録債権版の一括ファクタリングサービスはJEMCO等の独自記録機関をもつメガバンクが主に提供してきましたが、今回のサービスを利用することにより、でんさいネットに参加する金融機関が同様のサービスを単独で提供することが可能になります。
本サービスのファーストユーザーとして、りそな銀行の導入が決定しており、現在、他の金融機関でも採用の検討がされているとのこと。
以下に、NTTデータのニュースリリースを引用します。
金融機関向けでんさいネット対応一括ファクタリングサービス提供開始
~自行口座で電子記録債権版一括ファクタリングサービスが提供可能~
NTTデータ
2016年4月15日
株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、電子記録債権注1版一括ファクタリング注2サービス「でんさいファクタリングRサービス」を2016年4月18日より、金融機関向けに提供開始します。
「でんさいファクタリングサービス」は、NTTデータが金融機関に提供する共同利用型電子記録機関中継センター「DENTRANSR注3」と連携し、金融機関の一括ファクタリング業務で扱う売掛債権をでんさいネットR注4上に記録可能とするために必要となる各種機能を提供するサービスです。これにより、これまで独自記録機関をもつメガバンクが主に提供してきた電子記録債権版一括ファクタリングサービスを、でんさいネットに参加するすべての金融機関が、独自記録機関を構築したり、メガバンクと提携することなく、主体的に提供することが可能となります。
なお、本サービスのファーストユーザーとして、りそな銀行の導入が決定しており、現在、他金融機関でも採用の検討がされています。
NTTデータでは今後、本サービスについてさらに多くの金融機関の導入を目指します。
背景
2008年12月に電子記録債権法が施行され、電子記録債権は、紛失や盗難のリスクの低い債権として、利用の促進が求められています。でんさいネットには、2013年2月のサービス開始以降、一般社団法人全国銀行協会に加盟する会員銀行ならびに、信用金庫、信用組合等、多くの金融機関が参加加盟しています。NTTデータでは、でんさいネットの開始に伴い、でんさいネット加盟金融機関が、独自にシステム構築や改修を行うことなく、顧客企業向けにでんさいネットのサービスを提供できるよう、中継センター「DENTRANS」を提供してきました。
一方、一括ファクタリングサービスは、利用企業(支払企業)が手形で支払っていた買掛債務(売掛債権)を、金融機関が利用企業の取引企業(納入企業)から買い取り、利用企業(支払企業)の与信を用いて低利な割引率で資金提供を行うサービスで、支払い期日前に資金化ができることから、以前より金融機関顧客企業に多く利用されてきました。また、NTTデータは金融機関向け一括ファクタリングシステムである「PAYCONNECTR」(一括決済ASPサービス)の提供も行っています。
電子記録債権の普及に伴い、この一括ファクタリングサービスについても、電子記録債権に対応させたいとのニーズが高まっていましたが、これまで電子記録債権版一括ファクタリングサービスを提供するためには、メガバンクのようにファクタリングを目的とする独自の記録機関を構築するか、メガバンクと提携し、利用企業の決済口座をメガバンク上に開設する必要がありました。
そこでこのたび、NTTデータは「DENTRANS」と連携し、でんさいネット上での一括ファクタリングを実現するために必要な各種機能を共同利用型で提供する「でんさいファクタリングサービス」を開始することとしました。これにより、これまで主に独自記録機関をもつメガバンクだけが提供してきた電子記録債権版一括ファクタリングサービスを、でんさいネットに参加する幅広い金融機関は単独で、主体的かつ低コストに実現することが可能となります。
概要
「でんさいファクタリングサービス」は、一括ファクタリング業務で扱う売掛債権をでんさいネット上に記録可能とするための各種機能を共同利用型で、でんさいネットを利用する銀行、信用金庫等の金融機関向けに提供するサービスです。主な機能の内容は以下の通りです。
1.自動譲渡機能
支払企業(または金融機関が代行)が発生させた電子記録債権のうち、ファクタリング対象債権のみを識別し、自動で金融機関に譲渡する機能です。同時にファクタリング対象債権に対し、想定しない変更や譲渡請求があった場合には、システム側で識別し抑止する機能も併せ持っています。
2.期日前弁済機能
発生させた電子記録債権の一部について、支払企業が期日より前に金融機関に対して弁済した際、弁済された債権の支払等記録を一括して行う機能です。
3.ダイヤルアップ集配信金融機関代行承認機能
ダイヤルアップ集配信機能を用いて電子記録債権を発生させる作業を、支払企業を代行して金融機関が行う際、支払企業からの承認を不要とする機能です。
特長
1.メガバンク以外の金融機関も主体的に提供が可能
本サービスを導入することで、金融機関は顧客に、電子債権に対応可能な一括ファクタリングサービスを、単独で主体的に提供することが可能となり、一括ファクタリングを希望する企業の他金融機関への決済口座や取引の流出を防止するとともに、これまで手形を利用していた企業の電子記録債権利用を促すことが可能となります。
2.既存の一括ファクタリングシステムとの連携
これまで、従来型の一括ファクタリングを提供してきた金融機関でも、すでに自身で保持する一括ファクタリングシステムと連携可能とすることで、導入しやすく、また低コストでのサービス実現が可能となります。
3.サービスの拡張性
今回の提供機能のほか、今後も要望に応じて順次機能を拡充していく予定です。
今後について
今後、ファクタリング関連機能の拡充も順次図っていくとともに、金融機関向け一括ファクタリングシステム「PAYCONNECT」(一括決済ASPサービス)との連携等、より利便性の高いサービス提供を目指します。
NTTデータは本サービスについて、すでに導入が決定しているりそな銀行に加え、多くの金融機関での導入を目指していきます。
(以下、省略)
(参照)NTTデータのニュースリリース
http://www.nttdata.com/jp/ja/news/services_info/2016/2016041501.html