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金融庁、HFT取引やブロックチェーン技術などの影響を金融審議会で議論へ

麻生金融担当大臣は4月8日の閣議後記者会見で、アルゴリズムを用いた高速取引の影響やブロックチェーン技術などのFinTechによる影響など、証券市場・取引所に関する諸問題を金融庁の金融審議会で議論すると明らかにしました。

HFT取引などのアルゴリズムを用いた高速取引については、昨今大幅に取引量が増加しており、相場急変動の要因になっているとの指摘があるため、取引の高速化が市場の公正性・透明性・安定性などに及ぼす影響について検討される予定です。

また、ブロックチェーン技術など最近のFinTechについても、証券取引分野おいても重要な課題であることから、日本の競争力強化の観点からどのような対応が必要か議論される予定。ほかにも投資信託の販売等における金融機関の「フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)」についても議論されます。

金融庁は2014年から2015年にかけて、「決済業務等の高度化に関するスタディ・グループ&ワーキンググループ」及び「金融グループを巡る制度のあり方に関するワーキング・グループ」を開催し、最終的に今国会に銀行法等の改正案を提出しています。

今回は、主に証券業界や投資信託等の資産運用業界に焦点を当てたものと考えられます。今後の金融審議会や新たに設置されるであろうスタディグループの動向に注目です。

以下に、金融庁のニュースリリースを引用します。

4月8日(金)閣議後大臣記者会見冒頭発言

2016年4月8日

今後の日本の市場・取引所を巡る諸問題に係る検討について述べさせて頂きます。

日本の証券市場・取引所では、1990年代末以降、投資商品の多様化や取引システムの高度化などに向けた取組みが進められてきました。

このような中、例えば近年、アルゴリズムを用いた高速な取引が大幅に増加し、

昨今の相場急変動の要因の一つとなっているのではないか、・中長期的な企業の収益性に着眼した株価形成が阻害されるのではないか、といった指摘もなされているところです。
こうした点を踏まえ、取引の高速化が市場の公正性・透明性・安定性などに及ぼす影響について、検討していくことが重要と考えます。

また、足元の金融環境を踏まえ、国民の安定的な資産形成に資するよう、グローバルな分散投資や資産運用の高度化を進めていくことが益々重要になってきています。その際、商品開発、販売、運用、資産管理それぞれに携わる全ての金融機関等において、フィデューシャリー・デューティー、すなわち顧客本位の業務運営の観点から、どのような取組みが求められるかについて、検討することも重要と考えます。

更に、ブロックチェーン技術など最近のFinTechフィンテックの進展への対応は、証券取引などの分野においても重要な課題となっています。日本の競争力強化等の観点から、どのような対応が必要か、という点についても検討すべきと考えます。

今申し上げた点も含め、日本の市場・取引所を巡る諸問題について、幅広い観点からご議論いただくことが適当と判断し、4月中の出来るだけ早期に金融審議会総会を開催して、新たな諮問しもんを行うこととしたいと考えています。

(以下、省略)

 

(参照)金融庁のニュースリリース

http://www.fsa.go.jp/news/27/sonota/20160408-5.html