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アップル、顧客の健康管理を支援するソフトウェアフレームワークを発表

アップルは3月22日、ソフトウェア開発者向けに、顧客による健康状態の積極的な管理を支援するためソフトウェアフレームワーク「CareKit」を発表しました。

この「CareKit」を利用することにより、健康管理のプランを記録したり、症状や投薬治療の追跡を行なったりするiPhoneアプリケーションを開発することが可能となります。

アップルは既に、医療研究者に対して、医療データの収集フレームワーク「ResearchKit」を公表していますが、今回の「CareKit」は顧客自身による健康管理を支援するもの。来月よりオープンソースのフレームワークとしてリリースされます。

Appleは当初、以下の4つのモジュールを公表するとしています。

  • 「Care Card」:薬を服用する、理学療法など、個人的な健康管理プランやアクションアイテムを管理するために役立ちます。アクティビティは自動で管理され、Apple WatchまたはiPhoneのセンサーによって入力されます。
  • 「Symptom and Measurement Tracker」:感染症の可能性に備え体温を監視したり、痛みや疲労を測定するなど、症状と体調を簡単に記録することができます。進捗状況のアップデートには、簡単なアンケート、傷の治癒状況を撮影した写真のほか、動きの範囲を数値化など、iPhoneの加速度センサーやジャイロスコープを使ったアクティビティの計測を含めることができます。
  • 「Insight Dashboard」:Care Cardのアクションアイテムに対して症状をマッピングし、治療がどのように作用しているかを簡単に確認できるようにします。
  • 「Connect」:健康状態や体調の変化に関する情報を共有し、医師、治療に当たるチームや家族とコミュニケーションを取りやすくします。

アップルは、「ある健康管理アプリケーションの開発者は、これらのCareKitをパーキンソン患者、手術後の治療、自宅での健康状態のモニタリング、糖尿病の管理、メンタルヘルス、妊産婦の健康管理のためのアプリケーションに組み込めることを大変喜んでいます。」としています。

以下に、Appleのニュースリリースを引用します。

アップル、ヘルスケアアプリケーションをさらに進化させるCareKitを発表
デベロッパがより積極的にお客様自身の健康管理に関わる手助けをする新たなソフトウェアフレームワーク

Apple
2016年3月22日

2016年3月22日、Appleは本日、デベロッパがお客様自身による健康状態の積極的な管理を実現するために設計された、新たなソフトウェアフレームワーク、CareKitを発表しました。CareKitを利用したiPhoneアプリケーションによって、健康管理のプランを記録したり、症状や投薬治療の追跡を行なったりするのが簡単になります。また、お客様がご自身の健康状態をより深く理解するための実態の解明を得ることもできます。CareKitでは、医師、看護師や家族と情報を共有することも可能なため、あらゆる人がより積極的に健康管理に関わることができるようになります。

「ResearchKitがすでに医学研究の迅速さと規模に広範囲な影響を及ぼしていることを大変嬉しく思っています。そこで同じ原理が個人の健康管理にも役立つことに気が付いたのです」と、Appleのチーフオペレーティングオフィサー、ジェフ・ウィリアムズは述べています。私たちは自分の健康に何が起こっているかを理解するためのツールを個人に提供することは信じられないほどの影響力を及ぼすと信じています。CareKitを使って設計されたアプリケーションは、自分自身の健康管理により積極的に関わる事ができ、このことを実現します」

CareKitは来月よりオープンソースのフレームワークとしてリリースされます。これにより、デベロッパのコミュニティは、Appleが設計した最初の4つのモジュールに基づきながら開発を続けることができます。4つのモジュールには、次のものがあります。

  • Care Cardは、薬を服用する、理学療法など、個人的な健康管理プランやアクションアイテムを管理するために役立ちます。アクティビティは自動で管理され、Apple WatchまたはiPhoneのセンサーによって入力されます。
  • Symptom and Measurement Trackerでは、感染症の可能性に備え体温を監視したり、痛みや疲労を測定するなど、症状と体調を簡単に記録することができます。進捗状況のアップデートには、簡単なアンケート、傷の治癒状況を撮影した写真のほか、動きの範囲を数値化など、iPhoneの加速度センサーやジャイロスコープを使ったアクティビティの計測を含めることができます。
  • Insight DashboardはCare Cardのアクションアイテムに対して症状をマッピングし、治療がどのように作用しているかを簡単に確認できるようにします。
  • Connectは健康状態や体調の変化に関する情報を共有し、医師、治療に当たるチームや家族とコミュニケーションを取りやすくします。

「ResearchKitにより、低予算で高品質の臨床研究を運営するに当たってのモバイルアプリケーションの力にすぐに気づきました」と、ロチェスター大学メディカルセンターのレイ・ドーシー(医学博士、デビッド・M・レヴィ研究室の神経学の教授)は述べています。「CareKitが研究結果とパーキンソン病患者の日々の治療方法との溝を埋めてくれることを願っています。このフレームワークは、研究と医薬の民主化へのまったく新しい機会を開拓しようとしているのです」

健康管理アプリケーションのデベロッパは、これらのCareKitをパーキンソン患者、手術後の治療、自宅での健康状態のモニタリング、糖尿病の管理、メンタルヘルス、妊産婦の健康管理のためのアプリケーションに組み込めることを大変喜んでいます。

・セージ・バイオネットワークスとロチェスター大学はCareKitを使って、mPower ResearchKitでの研究を、患者自身の状態を患者本人に知らせ、治療する側に治療についての情報を提供するための貴重なツールへと変えようとしています。

・テキサス医療センターは、800万人の患者が治療チームとつながりを深めることで健康状態を改善できるようにするため、治療の経路をガイドおよびサポートするためのアプリケーションを設計しています。

・ベス・イスラエル・ディコネス・メディカルセンターは、HealthKitにデータを安全な方法で保管する家庭での健康管理デバイスを通じて、患者が自身の長期治療の管理におけるさらなる実態の解明を提供しようと試みています。

・One Dropは糖尿病の管理へのよりよいアプローチを提供しています。

・Start(Iodine開発)は抗うつ剤を使用している人に、その薬が自分自身に効能があるかどうかを理解する手助けをし、医師がより多くの情報に基づいて治療を行うために役立ちます。

・Glow,Inc.は、妊娠中の女性がより健康に過ごせるように、妊娠に関するアプリケーションGlow NurtureにCareKitのモジュ
ールを組み込んでいます。

詳しくは、http://www.apple.com/jp/carekitをご覧ください。

(以下、省略)