非営利団体である「The Linux Foundation」は2月9日、ブロックチェーン・デジタル技術を推進するオープン ソースプロジェクト「Hyperledger プロジェクト」の創設メンバー30社を発表しました。
このプロジェクトは、商取引を支える業界専門アプリケーション、プラットフォーム、およびハードウェア システムの構築をめざし、企業使用に耐えうるオープンソース分散型台帳のフレームワークとその開発者を育成することを目的としています。
日本からは、富士通、日立製作所、日本電気、NTTデータが参加しています。
以下に、The Linux Foundationのニュースリリースを引用します。
Linux Foundation の Hyperledger プロジェクトが創設メンバー 30 社を発表
blockchain 技術推進に向けたコードの寄贈提案も
2016年2月9日
2016 年 2 月 9 日 サンフランシスコ 発 – オープン ソースを通じたマス イノベーションの実現に取り組む非営利団体である The Linux Foundation (略称: LF) は、Hyperledger プロジェクトの新メンバー、正式なオープン ガバナンス構造、および技術情報更新を発表しました。
Hyperledger プロジェクト (取引の記録と検証を行うための blockchain デジタル技術を推進するオープン ソース プロジェクト) 結成の意向については、2015 年末に発表がありました。同プロジェクトの創設メンバーは、各種ステークホルダー グループを代表する以下の企業です。
ABN AMRO、Accenture、ANZ Bank、Blockchain、BNY Mellon、Calastone、Cisco、CLS、CME Group、ConsenSys、Credits、The Depository Trust & Clearing Corporation (DTCC)、Deutsche Börse Group、Digital Asset Holdings、富士通、Guardtime、日立製作所、IBM、Intel、IntellectEU、J.P. Morgan、日本電気、NTTデータ、R3、Red Hat、State Street、SWIFT、Symbiont、VMware、Wells Fargo。
グローバル ビジネス リーダーがそろって Hyperledger に貢献
去る 12 月に結成の意向を発表以来、Hyperledger プロジェクトには、Blockstream、Digital Asset、IBM、Ripple など複数の企業からコードや技術に関する貢献の提案がありました。他のコミュニティ メンバーもそれぞれ貢献を検討しています。
オープン ソース プロジェクトの例にもれず、同プロジェクトも、あらゆる方面からの技術的貢献を常に歓迎しており、業界有数の技術エキスパートで新結成された Technical Steering Committee (TSC) がそれらをレビューします。TSC はオープンで透明度のある議論、プロセス、および意思決定を確約しています。このグループは、プロジェクトの技術的な方向性やワーキング グループを監督し、コード ベースへのさまざまな貢献を管理します。また、提案された貢献内容を評価し、オープン コミュニティによる最初のユニファイド コードベースの構築プロセスをチェックします。
Digital Asset は ’Hyperledger’ のトレードマークを Linux Foundation に寄贈しています。このマークの使用については、Linux Foundation の承認を得て Hyperledger プロジェクトの Governing Board (運営委員会) が管理します。
Hyperledger プロジェクトは、業務プロセスを合理化するためにさまざまな業界の多様なユース ケースに対応した共通プラットフォームを追求する協業プロジェクトです。本来ピアツーピアの分散レジャー技術を共有化、透明化、分散化することで、金融、製造、銀行、保険、IoT など数々の分野で応用できます。業界を超えた分散レジャーのオープン スタンダードを定義することにより、仮想的にあらゆるデジタルな価値交換業務 (不動産契約、エネルギー貿易、婚姻証明など) を安全かつ低コストで追跡・処理できます。
The Linux Foundation のエグゼクティブ ディレクターである Jim Zemlin は、次のように述べています。
「Hyperledger Project は驚異的な速さで成長しましたが、これは分散レジャーに関するクロスインダストリなオープン スタンダードに対して、いかに多くの関心と可能性、そして企業の需要があるかを証明しています。世界的な大企業が全社を挙げて取り組んだとしても、このプロジェクトの新メンバーが進めるブロックチェーン技術のスピードにはかないません。このような広範な取り組みや投資こそが、人々の日常生活やプロフェッショナルの業務に大きな影響を与えるのです。」
メンバーによるオープン ガバナンス構造の承認
Hyperledger プロジェクトは、運用されるガバナンス構造についても本日発表します。ボード メンバーは、業務上の決定やマーケティングのほか、技術コミュニティとメンバーとの調整について指南します。現在、TSC メンバーの推薦も受け付けています。
技術的な議論について知りたい、または参加したい方は、lists.hyperledger.org にて TSC または Technical-Discuss メーリング リストに登録してください。Hyperledger プロジェクトは Linux Foundation 協業プロジェクトです。
(以下、省略)