三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)とSASは9月25日、三井住友銀行のアンチマネーロンダリング(AML)業務において、疑わしい取引の届出要否判定にAIを適用する取組みを開始すると発表した。邦銀では初。
この取組では、疑わしい取引の届出業務において、AMLシステムから生成されるアラートについて、届出につながる確率や根拠をAIの判定結果に基づき提示する。
これにより、アラート選別に要する作業時間の短縮を目指す。また、疑わしい取引の調査業務では、一連の判断プロセスを説明可能であることが求められることから、各アラートの生成根拠の提示についても検討を進める。
三井住友銀行では、疑わしい取引の届出業務において、AMLシステムから生成されるアラートの中から誤判定のアラートを除外し、当局への報告対象となるアラートを選別する作業に調査員の多くの時間が費やされていることが課題だった。
この課題を解決するために、AML取引モニタリング基盤を新たにSASで構築し、アラート精度向上にAIを活用することにしたという。
国内外の金融規制の厳格化が進む中、金融機関ではコンプライアンスコストの増加や、金融犯罪対策を専門とする人材の確保が課題。こうした状況について、AIなどで効率的な規制対応業務を実現するRegTechに注目が集まっている。
今回の事例もRegTechの先進事例と言えそうだ。