日本銀行は5月1日、国内のデビットカードの動向をまとめたレポートを公表した。
このレポートは、キャッシュカードをそのままデビットカードとして用いる「J-Debit」と、クレジットカード会社のネットワークを用いる「ブランドデビット」の2種類のデビットカードの動向についてまとめたもの。
まず、J-Debitについては、決済金額、決済件数ともに減少傾向を示している。これは、家電量販店や生損保等でのJ-Debitの利用が目立っているものの、スーパーやコンビニエンスストア等の加盟が限定的であるためだという。
一方のブランドデビットについては、決済金額、決済件数ともに、2010年度以降、6年連続で増加。ブランドデビットの発行銀行が2016年末時点で28行と前年末(15行)から約2倍に急拡大したほか、利用可能な店舗がJ-Debitに比べてかなり多いためだという。
デビットカード全体としては、決済金額・件数ともに増加。J-Debitの利用減少の影響を、ブランドデビットの利用増加の影響が上回っているためだ。
ただし、デビットカードの利用水準は電子マネーやクレジットカードに比べると、以前として非常に少ない状況にある。これは、日本では少額決済に現金や電子マネーが広く使われていることや、クレジットカードの発行審査が海外に比べ緩く、あえてデビットカードを利用するニーズが生じにくいためだという。
日銀では、来年からキャッシュアウトサービス(小売店のレジでデビットカードを利用して買い物金額以上の金額の引き落としできるサービス)の取扱いが開始される見込みであり、デビットカードがさらに拡大していく可能性があるとしている。