みずほフィナンシャルグループ(FG)とみずほ銀行は4月26日、6月を目処に、ブロックチェーンを用いて実際の貿易取引を行う2つの実験を行うと発表した。
1つ目の実験では日本IBMと協働し、Linux Foundationの「Hyperledger Fabric」を用いて、顧客の実貿易取引を実施し効果を検証する。ブロックチェーン上で、日本と海外の顧客間の実貿易取引にともなう信用状(L/C)を電子的に受け渡しする。
また、2つ目の実験では、米国R3およびコグニザントジャパンと協働し、R3が開発した「Corda」を用いて、同様に顧客の実貿易取引を実施し効果を検証する。
具体的には、新たに開発した貿易金融基盤の上で、日本と海外の顧客間の実貿易取引を行う。輸出者は信用状(L/C)等の輸出書類を作成し、貿易金融基盤上にアップロードする。
いずれの実験でも、輸出者や輸入者、銀行などの関係者間で信用状(L/C)が電子的に共有されるため、書類作成や郵送手続きの簡素化が見込まれるほか、貿易取引に要する時間の短縮や事務コストの削減も期待できるという。
みずほFGでは、今回の実験を本格的な商業利用に向けた一歩としており、今後も新しいテクノロジーを活用した先進的なサービスの提供を目指していくとしている。
ブロックチェーンを貿易取引や貿易金融、貿易保険に適用する取組みについては、先日、東京海上日動とNTTデータが実証実験結果を公表したばかり。海外においても、HSBCやDBS、スタンダードチャータード、バンカメ・メリルリンチなどが実証実験を実施している。
今後もグローバルレベルでの主導権争いが激しさを増しそうだ。