矢野経済研究所は8月19日、2015年度の国内クラウドファンディングの市場規模などをまとめた調査結果を発表した。
調査結果によると、2015年度の国内クラウドファンディングの市場規模は、前年度比68.1%増の約363億円と大幅に拡大した。社会貢献性や共感性の高いプロジェクトが多数起案され大型プロジェクトが成立したほか、マイナス金利時代を反映して好利回りの貸付型が拡大したという。
クラウドファンディングの類型別では、購入型が約32億円、寄付型が約1億円、投資型が約6億円、貸付型が約322億円となった。貸付型が全体の88.7%を占め、市場拡大に大きく貢献している。
また、クラウドファンディングを扱う企業数は、2015年7月末時点で100社程度であったが、2016年6月末時点では140社程度に増加している。
クラウドファンディングを単なる資金調達の場から、テストマーケティング、販促活動として、その後の事業拡大のための継続利用も顕在化しつつあるほか、超低金利時代からマイナス金利の時代に突入し、貸付型でも好利回りを求めて支援者(投資者)が増加しているという。
同社では、2016年度も前年度比で31.5%増の成長を見込んでいる。
以下に、矢野経済研究所のニュースリリースを引用する。
国内クラウドファンディング市場の調査を実施(2016年)
-国内クラウドファンディングの市場規模は拡大基調-
株式会社矢野経済研究所
2016年08月19日
■調査要綱
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内におけるクラウドファンディング市場の調査を実施した。 1.調査期間:2016年5月~6月 2.調査対象:クラウドファンディング運営企業、利用企業等 3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、ならびに電話・e-mail等によるヒアリングを併用<クラウドファンディングとは> 本調査におけるクラウドファンディングとは、資金を必要とするプロジェクト等がインターネットを介して不特定多数の人々から比較的少額な資金を調達する手段で、「購入型」、「寄付型」、「投資型(ファンド型)」、「貸付型(ソーシャルレンディング)」、「株式(投資)型」を対象とする。また年間の新規プロジェクト支援額を市場規模として算出した。
■調査結果サマリー
◆2015年度の国内クラウドファンディングの市場規模(新規プロジェクト支援額ベース)は前年度比68.1%増の363億3,400万円と拡大
2015年度の国内クラウドファンディングの市場規模は新規プロジェクト支援額ベースで、前年度比68.1%増の363億3,400万円と拡大した。社会貢献性や共感性の高いプロジェクトが多数起案され、大型プロジェクトが成立、マイナス金利時代を反映して好利回りの貸付型が拡大したことが背景にある。
◆2015年度も「貸付型」が大きく寄与
2015年度の市場規模を類型別にみると、購入型が約32億円、寄付型が約1億円、投資型(ファンド型)が約6億円、貸付型が約322億円であった。最も規模が大きい類型は貸付型で、全体の88.7%を占め、市場拡大に大きく貢献している。
◆今後も拡大基調を予測
2016年度の国内クラウドファンディング市場規模は、前年度比で31.5%増の477億8,700万円を見込む。クラウドファンディングの活用効果の浸透、事業拡大のための継続利用等の効果やプロジェクト案件の達成数の増加を背景に拡大基調を予測する。
■この調査結果掲載の資料 資料名:「2016年版 国内クラウドファンディングの市場動向」 http://www.yano.co.jp/market_reports/C58109500
(以下、省略)