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SBIなど、ブロックチェーンで国内外の為替基盤を構築へ

SBIホールディングスと子会社のSBI Ripple Asiaは8月19日、横浜銀行と住信SBIネット銀行を発足メンバーとする「ブロックチェーン技術等を活用した国内外為替一元化検討に関するコンソーシアム」を設立すると発表した。

このコンソーシアムでは、決済の24時間化・リアルタイム化、小額決済ニーズ、ボーダレス決済ニーズなどに対応するために、ブロックチェーン技術を用いた新たな送金・決済サービスの検討を行う。

具体的には、既に欧米の金融機関を中心に利用が進む米Ripple社の次世代決済基盤「Ripple Connect」を用いて、外国為替と内国為替を一元的に行う決済プラットフォーム「RCクラウド」を2017年3月を目途に構築する。

一般的な海外送金では複数の中継銀行(コルレス銀行)を経由するため、時間を要することや送金コスト等が問題となる。「Ripple Connect」では、送金側と着金側とを、仲介する金融機関で直結させることで、取引時間の短縮や送金コストの削減を実現する。

「Ripple Connect」は既にグローバル銀行上位50行のうちの12行に導入されており、30を超える銀行が実証実験を完了しているという。

コンソーシアムでは8月下旬より参加金融機関の募集を開始し、本年10月のコンソーシアム発足時に約15行、2017年3月時点で30行程度の参加を見込む。

今回の「RCクラウド」が予定通り来年3月に構築されれば、既存のSWIFTネットワーク(外国為替)や全銀ネットワーク(内国為替)に代わる新しい決済ネットワークサービスが登場することになる。

全銀ネットワークについては現在、24時間対応やXML電文対応などの検討・システム構築が進められているが、今回のサービスはその検討内容に影響を与える可能性もある。今後、このコンソーシアムに他の金融機関の参加が続くのか、その動向に注目が集まりそうだ。

以下に、SBIホールディングスのニュースリリースを引用する。

ブロックチェーン技術等を活用した国内外為替一元化検討に関するコンソーシアムの発足について

SBIホールディングス株式会社
SBI Ripple Asia株式会社
2016年8月19日

SBIホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役執行役員社長:北尾 吉孝、以下「SBIホールディングス」)と、その子会社でブロックチェーン技術を活用した次世代決済基盤をアジア地域で展開するSBI Ripple Asia株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:沖田 貴史、以下「SBI Ripple Asia」)は、株式会社横浜銀行(本社:神奈川県横浜市、代表取締役頭取:川村 健一、以下「横浜銀行」)及び住信SBIネット銀行株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:円山 法昭、以下「住信SBIネット銀行」)を発足メンバーとして、「ブロックチェーン技術等を活用した国内外為替一元化検討に関するコンソーシアム」(以下「本コンソーシアム」)を設立することになりましたのでお知らせいたします。

ブロックチェーン技術は、FinTechにおける革新的な中核技術であり、金融機関システムの安定性を向上させつつ、より柔軟で効率的なシステム構築を実現する可能性を秘めています。

横浜銀行及び住信SBIネット銀行の両行はFinTechに関する様々な取り組みを加速しておりますが、近年のICT(情報通信技術)の革新的変化と顧客行動や社会生活の変化に伴う決済の24時間化・リアルタイム化、小額決済等の振り込みニーズの多様化とともに、越境eコマースや日本企業のアジア進出によるボータレス化に対応するため、2016年10月より本コンソーシアムにおいてブロックチェーン技術等を活用した新たな送金・決済サービスの検討を開始いたします。

本コンソーシアムの事務局は、ブロックチェーン技術を活用した次世代決済基盤をアジア地域で展開するSBI Ripple Asiaが担います。本コンソーシアムでは既に欧米の金融機関を中心に利用が進む米Ripple社の次世代決済基盤「Ripple Connect」(※1)を用いて、外国為替に加えて内国為替も一元的に行う決済プラットフォーム「RCクラウド」を、2017年3月を目途に構築いたします。

本コンソーシアム参加金融機関は、「RCクラウド」の活用方法や国内外為替にあたって必要となる業務に関して、技術・運用の両面での議論を重ねてまいります。

本コンソーシアムは8月下旬より参加金融機関の募集を開始し、本年10月のコンソーシアム発足時には約15行で立ち上げ、2017年3月時点で30行程度の参加を見込んでおります。

(※1)「Ripple Connect」とは、FinTech分野を先導するベンチャー企業である米Ripple社が提供する次世代決済基盤です。海外送金では複数の中継銀行を経由するため、時間やコストの不確実性等が問題となっておりましたが、「Ripple Connect」では、送金側と着金側をマーケットメーカー(※2)で直結させることで送金コストの削減、取引時間の短縮を実現するとともに、プロセスの可視化が容易となります。 「Ripple Connect」は既にグローバル銀行上位50行のうちの12行に導入され、30を超える銀行が実証実験を完了しています。

(※2)マーケットメーカー(market maker)は、特定の通貨に関して一定量の在庫をもち、売り値と買い値をほぼ日常的に参加者に提示して実際にその価格で参加者との売買に応じる銀行やその他金融機関等のこと。

(以下、省略)

 

(参照)SBIホールディングスのニュースリリース

http://www.sbigroup.co.jp/news/2016/0819_10389.html