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野村総研、有価証券ソリューションをバーゼル規制対応

野村総研は7月13日、2017年1月に予定されるバーゼル規制に合わせて、2017年4月から有価証券運用管理ソリューション「T-STAR/GX」に新機能を提供すると発表した。すでに国内の大手資産運用会社など複数の金融機関による採用が決まっているという。

新たに対応するバーゼル規制は2つ。1つは、「カウンターパーティ信用リスクエクスポージャーの計測に係る標準的手法(SA-CCR)」で、デリバティブ(金融派生商品)の与信相当額の計算方法が変更される。もう1つは、「ファンド向けエクイティ出資の資本賦課」で、ファンドの個別明細を確認するルックスルー(資産構成把握)の方法について変更される。

本サービスを利用することにより、SA-CCRの計算を自動化できるほか、ルックスルーが比較的難しい外国籍投信や、ファンドオブファンズ形式のファンドにおいても、信用リスクアセット計算を行うことができるという。

以下に、野村総合研究所のニュースリリースを引用する。

2017年1月のバーゼル規制変更(SA-CCR等)に対応し、「T-STAR/GX」に信用リスクアセット計算機能等を追加

株式会社野村総合研究所
2016年07月13日

株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:此本臣吾、以下「NRI」)は、有価証券運用管理ソリューション「T-STAR/GX(*1)」において、2017年1月に予定されるバーゼル規制(*2)の変更に合わせた新機能を、2017年4月からオプションサービス(以下、本サービス)として提供します。本サービスに関しては、国内の大手資産運用会社を含む複数の金融機関による採用が決まっています。以下は、追加する新機能の概要や特長です。

■デリバティブの与信相当額の計算を自動化
2017年1月、バーゼル規制において2点の変更が行われることになっています(国内での制度適用は2017年3月末基準となる想定)。一つは、「カウンターパーティ信用リスクエクスポージャーの計測に係る標準的手法(以下、SA-CCR)」で、デリバティブ(金融派生商品)の与信相当額の計算方法についての変更です。SA-CCRは、複数の取引を束ねて計算し、証拠金の管理を行わなければならない等、現行の計算方式と比較すると、計算式自体が複雑かつ難解です。本サービスを利用すれば、SA-CCRの計算を自動化し、必要最低限の属性データを登録するだけで信用リスクアセット計算値を得て、レポートに反映することができます。

■外国籍投信やファンドオブファンズのルックスルー結果レポートを作成
バーゼル規制におけるもう一つの変更点は、「ファンド向けエクイティ出資の資本賦課」で、ファンドの個別明細を確認するルックスルー(資産構成把握)の方法についての変更です。本サービスを導入すれば、ルックスルーが比較的難しい外国籍投信や、ファンドオブファンズ形式のファンドにおいても、信用リスクアセット計算を行いレポートとして出力することが容易にできます。この機能を利用することにより、ファンドを保有する銀行は、ルックスルーを行わない資産について、より高度なリスク管理を行う手間が省けます。

■個別銘柄の属性判定サービスとの連携も可能
本サービスは、「T-STARファミリー(*3)」で提供中の「BISレポート作成サービス」を拡張したものです。今回の新機能追加に伴い、「BISレポート作成サービス」では、レポートのフォーマット定義や作成機能などの既存の機能も改善しています。また、バーゼル規制関連で、ファンドを構成する個別銘柄の属性判定を行う「IDS-BISサービス(*4)」とも連携していますので、本サービスと「IDS-BISサービス」を併用することにより、レポート作成負荷をさらに低減できます。

今後は、資産運用会社で作成したバーゼル規制関連レポートを、ファンドを保有する銀行向けに電子データで提供するといった新機能の追加や、将来の規制変更への継続的な対応も予定しています。

NRIは、本サービスのメニュー拡大や品質向上を通じ、銀行や資産運用会社などの金融機関におけるバーゼル規制に関連する業務の効率化・高度化を支援し、業務・サービスの標準化を目指します。

*1 T-STAR/GX:NRIが提供するソリューション群「T-STARファミリー(*3参照)」の一つです。バックオフィスシステムやマーケットデータをもとに、時間加重収益率計算および要因分解機能、さまざまな切り口による残高・取引・収益率等の参照機能(資産別/セクター別/銘柄別)、レポーティング支援、コンプライアンスチェック、大手スポンサー向けディスクロ作成機能などをご提供します。資産運用(投資顧問・投資信託・信託銀行・年金基金等)におけるポートフォリオ運用にかかわるフロント・ミドル業務を幅広く支援することで、資産運用ビジネスにおけるPLAN-DO-SEEを統合的にサポートしています。
*2 バーゼル規制:主要国の金融監督当局で構成されるバーゼル銀行監督委員会が、2010年9月に公表した、国際的に業務を展開している銀行の健全性を維持するための自己資本規制のこと。銀行に対し、普通株と内部留保などからなる「中核的自己資本(Tier1)」を、投資や融資など損失を被る恐れがある「リスク資産」に対して、一定割合以上持つように義務づけるものです。
*3 T-STARファミリー:NRIが提供する投信会社バックオフィスシステムサービスである「T-STAR/TX」をはじめとした、資産運用会社のビジネスを幅広く支援するためのソリューション群です。
詳細は、http://fis.nri.co.jp/service/am/index.htmlをご覧ください。
*4 IDS-BISサービス:金融庁の告示等に従って、ファンドに組み入れられている個別銘柄や発行体を分類し、BIS規制の属性を付与することや、リスクウェイト判定(告示で定められた分類ごとに、銘柄の総リスクウェイト量を算出)、ダブルギアリング判定(ファンドが投資している株式の業種が、銀行やノンバンク等を含む「金融機関等」であるか否かを判断)などを、NRIのデータアナリスト等で構成される専門チームの知見やノウハウに基づいて実施するサービスです。
詳細は、http://www.nri.com/jp/news/2015/151020_1.htmlをご覧ください。

(以下、省略)

 

(参照)野村総合研究所のニュースリリース

http://www.nri.com/jp/news/2016/160713_1.aspx