三菱東京UFJ銀行は7月11日、子会社である三菱東京UFJ銀行(中国)有限公司が、中国の新人民元決済システム「CIPS」に接続し業務を開始したと発表した。
CIPSは、2015年10月に稼動開始した人民元クロスボーダー決済システムで、日本における日銀ネットを使った外国為替円決済制度に相当する。CIPSに直接参加している外国銀行が、中国の銀行との間で、中国人民銀行に開設している口座を使って外為関連の人民元決済を行うことができる。
人民元については、2016年に国際通貨の基準とされるSDRに組み込まれることが決定している。同行では決済通貨として重要性の増してくる人民元クロスボーダー決済に対応するため、モノやサービスの売買に伴う資金決済のみならず、資本取引やクロスボーダー債券・証券関連取引に係わる決済サービスも今後提供していく予定としている。
CIPSに参加する邦銀は同行が初。みずほ銀行も中国当局から承認を得ており、近々CIPS接続を実現すると見られる。
以下に、三菱東京UFJ銀行のニュースリリースを引用する。
三菱東京UFJ銀行(中国)有限公司のCIPS接続と業務開始について
株式会社三菱東京UFJ銀行
平成28年7月11日
株式会社三菱東京UFJ銀行(頭取小山田おやまだ隆たかし)の全額出資子会社である三菱東京UFJ銀行(中国)有限公司は、本日より、中国の新しい人民元決済システムであるCIPS※1に接続し、業務を開始いたしました。
※1:人民元建ての貿易決済と投資を促すための金融インフラ。正式名称は、「人民元クロスボーダー決済システム」(=Cross-border International Payment System)
CIPSは、中国人民銀行が導入を進めており、人民元の国際化に対応するための決済システムとして注目されています。CIPSの特徴は、従来の決済システムより稼働時間が長く、欧州・アフリカの時間帯をカバーし、更には中国大陸と直接決済ルートの確保などにより、従来の決済ルートに比べて利便性が向上することがあげられます。
人民元については、2016年に、国際通貨の基準とされるSDR※2に組み込まれることが決定していることから、ますます決済通貨として重要となってくることが見込まれています。
※2: SDR(=Special Drawing Right)は、国際通貨基金(IMF)が通貨危機に備え、加盟国に配分する通貨を使用する権利を言います。SDRには、米ドル・ユーロ・ポンド・円などの主要通貨が組み込まれており、2015年には新たに人民元も構成通貨となることが認められております。
三菱東京UFJ銀行および三菱東京UFJ銀行(中国)有限公司は、決済通貨として重要性の増してくる人民元クロスボーダー決済に対応するため、モノやサービスの売買に伴う資金決済のみならず、資本取引やクロスボーダー債券・証券関連取引に係わる決済サービスも今後提供していく予定です。CIPSに直接参加して業務を行うことにより、日本に留まらないグローバルに展開するお客さまに対して更なる人民元決済サービスを提供し、様々なニーズにお応えできるように務めてまいります。
以 上
(以下、省略)