日立製作所は7月6日、同社のフラッシュストレージが、ゆうちょ銀行の情報系システムに導入され、稼働を開始したと発表した。
これにより、ゆうちょ銀行ではシステムの処理性能が向上し、情報系システム上のアプリケーションを修正することなく、データの読み出し時間を平均で従来の2分の1以下に短縮したという。
今回、採用されたフラッシュストレージは、ストレージシステム「Hitachi Virtual Storage Platform (VSP) G1000」に、フラッシュモジュール「Hitachi Accelerated Flash」(HAF)を搭載したもの。
事前に、情報系システムのOracleデータベースに対して、HAFの導入効果に関する机上シミュレーションを実施したほか、日立のテスト環境を使用して、導入効果の実機検証を行った。
以下に、日立製作所のニュースリリースを引用する。
日立のフラッシュストレージがゆうちょ銀行の情報系システムで稼働開始
データの読み出し時間を従来比2分の1以下に短縮
株式会社日立製作所
2016年07月06日
株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)のフラッシュストレージが、このたび、株式会社ゆうちょ銀行(以下、ゆうちょ銀行)で利用する情報系システムに導入され、稼働を開始しました。これにより、ゆうちょ銀行では、システムの処理性能が大幅に向上し、データの読み出し時間を平均で従来の2分の1以下に短縮するなど、業務効率のさらなる向上を図ることが可能になりました。
国内の金融機関で最大規模の口座数を保有するゆうちょ銀行では、多様化するお客さまのニーズ、新商品やサービスの拡充、新しい法制度への対応などに伴い、データの処理件数が増加し、システムへの負荷が増加傾向にありました。
システム負荷の増加への対処としては、システム上のアプリケーションを修正する方法が一般的ですが、多大な時間と工数がかかるため、短期間で効率的にシステム性能を改善する方法が求められていました。
今回、ゆうちょ銀行では、日立のフラッシュストレージを導入したことで、情報系システム上のアプリケーションを修正することなく、システム処理性能の向上を実現しました。また、さまざまなデータについて、利用頻度に基づいた優先順位付けを行い、優先度の高いデータを既存のハードディスクドライブ(HDD)からフラッシュストレージに移行したことで、導入・運用コストの抑制も実現しました。さらに、ゆうちょ銀行のデータベースの稼働情報を用いた机上シミュレーションと、日立のテスト環境を利用したシステムの実機検証を事前に行ったことで、性能改善効果の高いシステムを円滑に導入できました。これらにより、コストを抑制しつつ、効率的な処理が実行されるシステム構築を短期間で実現しました。
日立は、今後も、今回のシステムインテグレーションサービスをはじめ長年培ってきたノウハウを活用し、多様化する金融機関のニーズに柔軟に対応したシステムソリューションを総合的に提供し、金融機関におけるサービス品質の向上や業務の効率化などを支援していきます。
■今回採用された製品・ソリューションの特長
今回、採用された日立のフラッシュストレージは、ストレージシステム「Hitachi Virtual Storage Platform(以下、VSP)G1000」に、フラッシュモジュール「Hitachi Accelerated Flash」(以下、HAF)を搭載したものです。高いデータアクセス性能によるデータベースの高速処理化と高信頼性を実現しており、大量のデータの迅速な活用を可能にします。
また、今回の導入にあたっては、日立のデータベース高速化ソリューション「Flash Solution for Oracle」を活用しました。具体的には、情報系システムで利用しているOracleデータベースにおけるHAFの導入効果に関する机上シミュレーションを実施したほか、日立のテスト環境を使用して、導入効果の実機検証を行いました。これにより、性能改善効果の高いシステムを短期間で導入できました。
(以下、省略)