「DG Lab」では、「ブロックチェーン」「人工知能」「VR/AR」「セキュリティ」「バイオテクノロジー」を重点分野として、高い技術力を持つ国内外の投資先企業と連携し、新たなプロダクトやサービスの基礎となる研究成果を生み出す。特に、5つの重点分野の中でも当初は「ブロックチェーン」と「人工知能」に力を入れて研究開発を進める予定。
ブロックチェーンについては、2016年2月にデジタルガレージが出資したBlockstream社との連携を推進し、クレジットカードなどのポイントや仮想通貨の取引システム、スマートコントラクトの基盤技術などを開発する。
これらの研究開発および実用化に向けて、クレディセゾン以外に、横浜銀行・りそな銀行などとも、それぞれ実証実験に関する検討を開始済みとしている。
以下に、デジタルガレージのニュースリリースを引用する。
デジタルガレージ、カカクコム、クレディセゾン、
オープンイノベーション型の研究開発組織「DG Lab」を設立~2020年に向けブロックチェーンや人工知能、VR/ARなどの分野で次世代事業を創出へ~
株式会社デジタルガレージ
株式会社カカクコム
株式会社クレディセゾン
2016年07月04日
株式会社デジタルガレージ(東証一部 4819、本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 兼 グループCEO:林 郁、以下:DG)、株式会社カカクコム(東証一部 2371、本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:畑 彰之介、以下:カカクコム)、株式会社クレディセゾン(東証一部 8253、本社:東京都豊島区、代表取締役社長:林野 宏、 以下:クレディセゾン)の3社は、多様な業界の企業が参画し次世代の事業を共同で創出することを目的とした、オープンイノベーション型の研究開発組織「DG Lab」(http://www.dglab.com)を設立しました。オリンピックの開催を見据え2020年までを第1フェーズとして本日より活動を開始します。
インターネットの黎明期から時代の先端を先取りした様々な事業を手がけてきたDG、「価格.com」「食べログ」など合計で1億6000万人を超える月間ユニークユーザーが利用するサービスを運営してきたカカクコム、グループ3500万人の顧客基盤や多種多様なアライアンスネットワークを有するクレディセゾンがコアパートナーとして共同で運営することで、グローバルに広がるビジネスに直結した研究成果を挙げていく予定です。グローバルな視野に立って研究開発に取り組むためにDG Labは、東京、サンフランシスコ、ニューヨーク、ボストンに拠点を置きます。
今回DG Labの設立に至った背景には、インターネットによって生まれたオープンイノベーションの波が、ハードウェア産業やバイオテクノロジー産業まで巻き込むことで、技術進化の速度が様々な分野で加速し始めたことがあります。こうした状況においては、自社ですべての技術を開発し事業化することを目指す従来型の研究開発よりも、社内外にとらわれず優れた技術をいち早く発掘し、その技術をコアに様々な業界に向けたプロジェクトを立ち上げていく、オープンプラットフォーム型の研究開発の方が、技術進化の波にしなやかに対応できるようになります。
こうした時代の動きを捉えDG Labでは、「デザイン x データ x テクノロジー」をキーコンセプトとし、今後さまざまな事業の基盤になることが期待できる「ブロックチェーン」「人工知能」「VR/AR」「セキュリティ」「バイオテクノロジー」を重点分野として、これらの分野において高いレベルの技術を持つ国内外の投資先企業と連携して、新たなプロダクトやサービスの基礎となる研究成果を生み出すことを目指します。こうしたコンセプトに賛同する企業には「協賛パートナー」として参画していただき、研究成果を優先的に各社の事業に利用していただきます。広告、自動車、家電大手、通信キャリア、放送/コンテンツ、不動産といった様々なセグメントから有力な企業に集まっていただき、オープンイノベーションを実現していきます。
5つの重点分野の中でも当初は特に、「ブロックチェーン」と「人工知能」に力を入れて研究開発を進める予定です。ブロックチェーンについては、2016年2月にDGが子会社を通じて出資したBlockstream社との連携を推進します。同社は、ビットコインの基盤技術であるブロックチェーンの開発を手がけてきた第一線のエンジニアが数多く所属し、ブロックチェーンをさまざまな用途で利用するための先進的なプロダクト開発を行っていることで知られています。DG Labは、Blockstream社の技術支援を受けながら、ブロックチェーンを利用した、クレジットカード等様々なポイントやバリュー、仮想通貨等のエクスチェンジシステムや、今後ますます需要が増加する地域マネー、電子マネー等のプラットフォーム、契約執行や価値移転、権利許諾等の自動化を行うスマート コントラクトの基盤技術を開発する予定です。
これらの研究開発および実用化に向けて、コアパートナーであるクレディセゾンはもちろん、地域の発展に貢献する革新的なサービスの開発に取り組む地銀最大手の株式会社横浜銀行、全国に店舗展開とカルチャーの創造をする株式会社パルコ、業界に先駆けて24時間決済を実現した株式会社りそな銀行といった各社と、それぞれ実証実験に関する検討を始めており、DG Labの重点分野であるその他の領域においても連携に向けて取り組んでいく予定です。ブロックチェーン関連の開発ではこのほか、DGが子会社を通じて出資している弁護士ドットコム株式会社や、株式会社アイリッジとも連携していきます。
人工知能については、株式会社電通と合弁で設立したDG子会社の株式会社BI.Garageが手がけるデータサイエンス事業への応用を推進していく予定です。具体的には、クレディセゾンが保有する購買・決済データと、カカクコムの持つWEB行動データ、電通グループの保有する広告関連データを元に、協賛パートナーが有する様々なデータを組み合わせ、人工知能で分析した結果に基づくサービスやビジネスを開発することなどを検討しています。この結果生まれる研究成果は、次世代のインタラクティブ・エージェントなどに応用する予定です。このほかにも電通グループとはVR/ARに関しても、電通とDGの合弁会社である株式会社電通サイエンスジャムと連携して新しいプロダクトや、ARを利用した新たなユーザー体験を提示するサービスなどを、2020年を見据えて展開していく予定です。
このほかDG Labは、先端テクノロジーを数多く保有する株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所とも連携していく予定です。また、株式会社講談社とは、日本を代表する「マンガ」や「ファッション」などのコンテンツを中心に、DG Labが取り組む先端技術を活用したグローバルビジネスを進めていく予定です。証券分野では大和証券グループと、ブロックチェーンや人工知能、セキュリティといった領域における連携を進めることを検討しています。
なお、DG Labが標榜するキーコンセプトである「デザイン x データ x テクノロジー」を実現するために、グローバルブランドの支援企業Inamoto & Co.を設立した世界的なクリエイターのレイ・イナモト氏がクリエイティブ・アドバイザーに就任し監修に当たるとともに、世界のクリエイターをつなぐネットワークとDG Labの 連携を推進していきます。また、DG Labの技術開発については、パートナー企業としてTIS株式会社(以下、TIS)と連携して、TISの有する決済やカードソリューションと次世代技術とのハイブリッド化を目指します。「Fintech等に代表される技術革新を一層加速し得る、極めて意義のある取り組みであり、当社が技術開発パートナーとして貢献できることを大変楽しみにしています。」(TIS 代表取締役社長の桑野 徹氏)。
※協業プロジェクトについては、進行状況に応じて個別に発表していきます。
なお、DGはDG Labと共催の形で、2016年7月5日~6日に東京で「THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2016 TOKYO」を開きます。
カンファレンス専用サイト:http://ncc.garage.co.jp
<コアパートナー各社の代表メッセージ>
「インターネットの本格的な普及の開始から20年以上が経ち、いまだかつてない技術イノベーションの波が様々な業界に影響を及ぼそうとしています。こうした時代に突入しつつあるからこそ、DG Labのようなオープンイノベーション型の研究開発組織を通じ、様々な業界を代表する企業と連携しながらグローバルなプラットフォームを2020年のオリンピックを超えて作っていくことが大切だと考えています」(DG 代表取締役社長 兼 グループCEOの林 郁)。
「最先端技術においては、複数の専門領域にまたがる学際的なものがますます増えており、研究開発と科学の成果が時を置かず技術に影響を与えるようになってきています。このためDGのようなサイズの企業は、オープン プラットフォーム型の研究開発組織を持ち、科学における研究成果を技術にすぐ結びつけられるようにした上で、各領域の専門家や様々な業界における一流の企業と連携していく必要があります」(DG 共同創業者、MIT メディアラボ所長の伊藤 穰一)。
「DG Labの共同運営を通じて、技術の急速な進化による消費者の生活スタイルの変化に合わせた、「価格.com」「食べログ」に次ぐ柱となる新たなサービスを生み出していきたいと考えています」(カカクコム 代表取締役 社長の畑 彰之介氏)。
「技術進化は、金融決済・消費スタイルを変化させ、ビジネスそのものを変容させる可能性が高いと認識しています。最先端の技術研究への参加を通じ、オープンイノベーションを加速させ、既存のビジネスモデルを変革していきたいです」(クレディセゾン 代表取締役社長の林野 宏氏)。
(以下、省略)