ダイレクトチャネルシステムの概要
かつて金融ビッグバン以前の時代においては、営業店網は金融機関間の競争における主要な差別化要因でした。このため各金融機関は、営業活動や各種事務処理を実施する重要なチャネルとして、営業店網を整備してきました。
しかしながら、金融ビッグバン後の金融機関の再編・統合の流れの中で、各金融機関とも経費削減などを目的として、営業店網自体の統合・削減のほか、営業店における事務処理や営業活動も見直し・集約化が進められました。
一方、インターネットやパソコン、携帯電話等の普及を受けて、顧客と直接的な接点を有する技術的な環境が整ってきた上、これらのチャネルは営業店と比較すると安価かつ画一的なサービスが提供できることから、各金融機関とも積極的にダイレクトチャネルの構築に取り組んできました。
現在の金融機関におけるダイレクトチャネルは、インターネットバンキング(個人、法人)、コールセンター(テレフォンバンキング含む)、電子メール、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などがあります。
近年、金融機関におけるダイレクトチャネル利用率は拡大を続けており、顧客の利便性向上や金融機関の事務コストの低減に大きく寄与しています。スマートフォン、タブレット、ウェアラブル端末などの新しい端末が継続的に出現しているほか、Facebook、Twitter、LINEなどのSNSサービスも利用率が拡大していることから、今後ともダイレクトチャネルシステムの発展が期待されます。
ダイレクトチャネルシステムの概要図
ダイレクトチャネルシステムの機能概要
ダイレクトチャネルシステムを構成する個別システムの概要については、各解説ページを参照ください。(画像をクリックすると各解説ページにジャンプします。)
(1) 個人インターネットバンキングシステム
(2) 法人インターネットバンキングシステム
(3) コールセンターシステム
(参考) 顧客管理/マーケティングシステム
製品・サービス一覧
ダイレクトチャネルシステムの製品・サービス一覧は、以下のページを参照ください。
参考文献
参考文献一覧
参考文献一覧
- 金融情報システムセンター(2015)『金融情報システム白書〈平成27年版〉』財経詳報社 417pp
- 日本IBM金融インダストリーソリューション(2013)『2020年金融サービス―ITと融合するリテール金融の未来像』東洋経済新報社 221pp
- 土屋清美(2013)『ITエンジニアのための金融知識』日経BP社 232pp
- 山本統一(2010)『SEが基礎から学ぶ金融システムの教科書』日本実業出版社 328pp
- 小泉保彦(2010)『SEのための金融入門―銀行業務の仕組みとリスク』金融財政事情研究会 300pp
- 克元亮(2004)『SEのための金融の基礎知識』日本能率協会マネジメントセンター 341pp
- 室勝(2010)『図解で学ぶSEのための銀行三大業務入門』金融財政事情研究会 438pp
- 調査部(2014)「地域金融機関におけるチャネル戦略の現状とオムニチャネルの可能性」『金融情報システム』No.333(平成26年夏号) pp.42-61. 金融情報システムセンター
- 調査部(2011)「地域金融機関におけるチャネル戦略の動向」『金融情報システム』No.316(平成23年秋号) pp.88-123. 金融情報システムセンター
- 株式会社日立製作所金融システム事業部 事業戦略本部 ビジネスコンサルティング 部長 長稔也(2007)「〔第2回第1部〕ダイレクト・チャネルの更なる活性化を目指して」『金融情報システム』No.289(平成19年春号) pp.164-177. 金融情報システムセンター
- 日本銀行 金融機構局 金融高度化センター長 岩下直行(2014)「金融取引チャネルとセキュリティについて」<http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/data/rel141226a2.pdf>(2015/10/22 アクセス)