TKCと広島銀行は6月9日、TKCのFinTechサービスを利用することについて合意したと発表した。TKCのFinTechサービス利用は、茨城県の常陽銀行に続き2行目となる。
この合意により、TKCの財務会計システム「FXシリーズ」等を利用する中小企業の了解のもと、TKC全国会会員(税理士、公認会計士)による信頼性の高い財務データを広島銀行に提供できるようになる。
これにより広島銀行では、融資先企業の試算表等をタイムリーに入手することができるほか、企業収益力の強化に繋がるコンサルティングや資金繰りの安定化に繋がる融資提案等を実施する。
以下に、TKCのニュースリリースを引用する。
TKCのFinTechサービス利用について広島銀行とTKCが業務提携へ
――広島銀行とTKCは、TKC全国会会員とともに中小企業の成長・発展を支援します
TKC
2016年6月9日
株式会社広島銀行(本店:広島県広島市/代表取締役頭取:池田晃治)と株式会社TKC(本社:栃木県宇都宮市/代表取締役社長:角 一幸)は、6月8日にTKCのFinTechサービス(※)を利用することについて合意し、中小企業の経営力強化に向けて共同で取り組むこととなりました。なお、この合意は西日本では初めてのものとなります。
今回の合意により、株式会社TKCのシステムを利用するTKC全国会会員(税理士、公認会計士)は、毎月の巡回監査(注)を通じた指導により作成された「中小企業の会計に関する基本要領」に準拠した信頼性の高い財務データ(決算書、月次の試算表等)を、顧問先企業の了解のもとで広島銀行へ提供することが可能となります。
これにより、広島銀行では、①融資先企業の試算表等をタイムリーに入手することができ、経営の状況をリアルタイムで把握することができるようになるとともに、②同サービスを活用することで、企業収益力の強化に繋がるコンサルティングや資金繰りの安定化に繋がる融資提案等を実施します。
また、両者はお互いのノウハウを活用し、融資手続きの簡素化やタイムリーな資金調達支援、事業性評価を通じた企業の経営力強化に繋がるコンサルティングなどの新サービスを共同で研究していきます。
広島銀行とTKCは、TKC全国会会員とともに中小企業の成長・発展を支援するとともに地域経済の活性化に寄与してまいります。
【※】TKCが開発するFinTechサービス
1.月次試算表提供サービス(仮称)
関与先企業の了解の下に、TKC会員事務所による巡回監査と月次決算の終了直後に、金融機関に対してモニタリング用の月次試算表等のデータを提供するサービスです。
2.決算書等提供サービス(仮称)
関与先企業の了解の下に、法人税(所得税)の電子申告後に、融資審査、格付けのために金融機関に対して決算書や申告書等のデータを提供するサービスです。
3.最新業績閲覧サービス(仮称)
関与先企業の了解の下に、金融機関がTKC会員事務所を経由して、関与先企業の自計化システムの最新情報を閲覧できるサービスです。
注)巡回監査とは:関与先企業等を毎月及び期末決算時に巡回し、会計資料並びに会計記録の適法性、正確性及び適時性を確保するため、会計事実の真実性、実在性、網羅性を確かめ、かつ指導することである。巡回監査においては、経営方針の健全性の吟味につとめるものとする。(TKC全国会『TKC会計人の行動基準書』第3章実践規定の部)
(以下、省略)