金融庁は4月27日、日本における「FinTechエコシステム」構築に向けた方策などを検討するために、「フィンテック・ベンチャーに関する有識者会議」を設置すると発表しました。
この有識者会議では、「FinTechエコシステム」構築に向けた方策を検討するとともに、FinTechの動向が金融業に与える影響等について議論する予定。第1回目の会議は5月16日(月)に予定されています。
メンバーは、東京大学大学院経済学研究科教授の福田慎一氏を座長とし、日本人初のMITメディア・ラボ所長伊藤穰一氏、マネーフォワード取締役瀧俊雄氏など9名を選定。
金融庁は、昨年12月にFinTechサポートデスクを設置したほか、今国会に金融機関がFinTech企業へのマジョリティ出資を可能にする銀行法の改正案を提出するなど、日本におけるFinTechエコシステム発展に向けて積極的な取組みを行ってきています。
一方で、欧米等に比べ、先進的なFinTech企業やベンチャーキャピタルの登場が未だ必ずしも実現していないとの指摘があり、今回の有識者会議設置に至ったとのこと。
金融庁では、海外展開を視野に入れたFinTechベンチャー企業の創出を図っていくためには、技術の担い手(研究者、技術者等)とビジネスの担い手(企業、資金供給者、法律・会計実務家等)など、幅広い分野の人材が集積し、これらの連携の中で、FinTechベンチャー企業の登場・成長が進んでいく環境(エコシステム)を整備していくことが重要であるとしています。
2015年から2016年にかけて決済の高度化SG・WGや金融グループに関するWGが開催されましたが、主に決済領域や金融グループ規制に焦点を当てたもので、直接的にFinTechエコシステムを発展させる目的では議論が行われませんでした。
今回の会議では、日本のFinTechエコシステムを発展させるための具体的な方策が議論されると思われます。FinTechエコシステム発展のために、有意義な議論が展開され、金融政策に反映されていくことを期待したいと思います。
以下に、金融庁のニュースリリースを引用します。
「フィンテック・ベンチャーに関する有識者会議」の設置について
金融庁
2016年4月27日
1.趣旨
近時、FinTechの動きが注目を集めている。他方、欧米等に比べ、我が国では、先進的なFinTechベンチャー企業やベンチャーキャピタルの登場が未だ必ずしも実現していないとの指摘がある。
我が国の強みを活かしつつ、海外展開を視野に入れたFinTechベンチャー企業の創出を図っていくためには、技術の担い手(研究者、技術者等)とビジネスの担い手(企業、資金供給者、法律・会計実務家等)など、幅広い分野の人材が集積し、これらの連携の中で、FinTechベンチャー企業の登場・成長が進んでいく環境(エコシステム)を整備していくことが重要である。
このため、有識者による検討の場を設け、「FinTechエコシステム」の実現に向けた方策を検討するとともに、こうした動きが金融業に与える影響等について議論することを目的として、「フィンテック・ベンチャーに関する有識者会議」(以下、「会議」という。)を設置する。
2.メンバー(五十音順、敬称略)
- 伊藤 穰一MITメディア・ラボ所長
- 金子 恭規スカイライン・ベンチャーズ社代表
- 仮屋薗 聡一一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会会長
- 郷治 友孝株式会社東京大学エッジキャピタル
- 瀧 俊雄株式会社マネーフォワード取締役
- 田中 正明株式会社三菱東京UFJ銀行上級顧問
- 仲津 正朗株式会社Orb代表取締役CEO
- 福田 慎一東京大学大学院経済学研究科教授 (座長)
- 松尾 豊東京大学大学院工学系研究科准教授
※今後、必要に応じて、上記以外の有識者にもご参加頂く。
3.会議の開催について
第1回目の会議を下記の通り開催する。
記
- 1.日時:平成28年5月16日(月)10時00分~12時00分
- 2.会場:未定
(以下、省略)