ふくおかフィナンシャルグループは4月26日、先日設立した投資専門子会社のふくおかテクノロジーパートナーズ(FTP)を通じて、福岡のFinTech企業「iBankマーケティング社」に出資した上で、新たな金融サービスプラットフォーム「iBank」を立ち上げたと発表しました。また、iBank社と富士通の資本業務提携を検討することも併せて発表しています。
iBank社は、福岡に拠点を構えるFinTech関連企業。今般、立上げを行う金融サービスプラットフォーム『iBank』は、スマホ/モバイルファースト時代に即した新しい顧客体験・価値を提供することを目的に、金融と非金融、日常と非日常をシームレスに繋ぐマネーサービスとして、ふくおかFGとiBank社が共同で事業展開を行うものです。
具体的な提供サービスとして、平成28年7月を目処に、読むだけでトクする生活情報コンテンツ「mymo+」、目に見える貯まりやすさのお金管理アプリ「Wallet+」を、平成28年10月を目処に、現金感覚の決済カード「Debit+」のリリースに向けた準備を進めているとのこと。
ふくおかFGでは、スマートフォンの急速な普及や、情報通信技術の劇的な進化に伴うライフスタイルの変化に対応するため、「お客さま起点」から始まるサービスイノベーションの創出に向けた検討を行ってきており、今回の出資はその検討の一環となります。
さらに今回、iBank社と富士通が資本業務提携に関する基本合意書を締結したことも併せて発表しています。
金融サービスプラットフォーム『iBank』では、様々な業界・業種の事業パートナー(異業種)との連携によるエコシステム型のビジネスモデルを構築・展開することを目指しており、富士通社との資本業務提携はその第1弾となります。
ふくおかFGは先日、地元のFinTech企業と共同してブロックチェーンの実証実験を行うことも発表しており、福岡を拠点とした独自のFinTechエコシステムを構築しようという気概が感じられます。東京から距離的に離れた地方銀行はそれだけでビハインドを背負っているとも言われますが、このようなふくおかFGの取り組みは注目に値すべきものです。
今後福岡から、全国あるいは世界に通用するFinTech企業・サービスが登場することを期待したいと思います。
以下に、ふくおかフィナンシャルグループのニュースリリースを引用します。
金融サービスプラットフォーム『iBank』の立上げに関するお知らせ
~ iBankマーケティング株式会社への出資(子会社化) ~
株式会社ふくおかフィナンシャルグループ
2016年4月26日
株式会社ふくおかフィナンシャルグループ(代表取締役社長 柴戸 隆成、以下:FFG)は、本日付で投資専門子会社の株式会社ふくおかテクノロジーパートナーズ(代表取締役 河﨑 幸徳、以下:FTP)を通じて、iBankマーケティング株式会社(代表取締役 永吉 健一、以下:iBank社)が実施する第三者割当増資を引き受け(子会社化)、iBank社と共同して、金融サービスプラットフォーム『iBank』の立上げを行いましたので、下記の通りお知らせ致します。
1. 金融サービスプラットフォーム『iBank』の 立上げについて
記
(1)背景・目的
FFGでは、スマートフォンの急速な普及や、情報通信技術の劇的な進化に伴うライフスタイルの変化に対応するため、「お客さま起点」から始まるサービスイノベーションの創出に向けた検討を行ってまいりました。今般、立上げを行う金融サービスプラットフォーム『iBank』は、スマホ/モバイルファースト時代に即した新しい顧客体験・価値を提供することを目的に、金融と非金融、日常と非日常をシームレスに繋ぐマネーサービスとして、iBank社と共同で事業展開を行うものです。
(2)提供サービスの概要
① サービスコンセプト
いつも 私を『 i 』してくれる、新しいマネーサービス。
『iBank』では、銀行ならではの金融機能(決済・貯蓄等)に加え、ライフスタイル/ライフイベントに隣接する非金融サービスの領域もカバーするサービスブランドとして、お客さまを『 i 』する様々なプロダクトを提供してまいります。
② プロダクト内容(例:お金管理アプリ「Wallet +」)
- 残高照会・収支管理機能(口座入出金・カード利用明細の取込・表示)
- ちょこっと預金/目的預金(貯蓄口座開設・余資貯蓄機能・目的別の貯蓄管理機能)
- カード決済情報と連動したクーポン提供、ポイントサービス(付与・交換)
- ライフスタイル/ライフイベントに係る情報コンテンツ配信
(3)iBankマーケティング株式会社への出資(子会社化)
① 理由
『iBank』で目指すサービスコンセプトの実現には、金融サービスとともに生活に密着した非金融サービスの提供や、業界の垣根を越えた異業種とのアライアンス、オープンイノベーションといった既存の銀行の枠組みに捉われない取組みを加速させていく必要があります。
今回、先に設立したFFG傘下の投資専門子会社であるFTPからの出資を通じて子会社化するiBank社は、情報通信サービス業に属する事業を主たる業として営むフィンテック関連企業です。「お客さま起点」に立ったイノベーティブなサービスを、より安全に、より早くご提供し、銀行のお客さまをはじめ、多くの方々に安心してご利用頂くことを企図して、相互に連携してまいります。
② 子会社化の方法
iBank社が実施する第三者割当増資を、FFGの投資専門子会社であるFTPが全額引き受けることで、iBank社は当社の連結子会社となります。なお、本件はFTPによる投資の第1号案件となります。
③ iBankマーケティング株式会社の概要
- i.商号 iBank マーケティング株式会社
- ii.所在地 福岡市中央区西中洲 6番 27 号
- iii.代表者氏名 永吉 健一
- iv.事業内容 情報処理および情報通信サービス業
- v.設立 平成28年4月1日
- vi.資本金 80百万円(資本準備金含む)
- vii.主要株主 株式会社ふくおかテクノロジーパートナーズ
2. 事業パートナーとのアライアンスについて(富士通株式会社との資本業務提携の検討開始)
(1)エコシステム(※)型のビジネスモデル展開
金融サービスプラットフォーム『iBank』では、様々な業界・業種の事業パートナー(異業種)との連携によるエコシステム型のビジネスモデルを構築・展開することで、個人のお客さまには、金融と非金融が融合した新しい体験を、法人のお客さまには、これまでにないマーケティングの機会を提供することを目指しております。FFGおよびiBank社では、外部企業が有する優れたサービスや技術を積極的に取り入れることを目的に、地域経済におけるエコシステム型のビジネスモデル展開に賛同・共感頂ける事業パートナーとの連携を進めてまいります。今回の富士通株式会社とのアライアンスは、その第 1 弾となります。
(2)富士通株式会社との資本業務提携に関する基本合意の概要
iBank社と富士通株式会社(代表取締役 田中 達也)は、本日付で資本業務提携に関する基本合意書を締結致しました。提携の具体的な内容、方法等につきましては、別途両社間で協議のうえ、検討を進めてまいります。
3. 今後の見通し
本件による当社連結業績に与える影響は軽微であると見込んでおります。
(以下、省略)