日本オラクルは4月19日、損害保険ジャパン日本興亜が進めている基幹システム刷新プロジェクトにおいて、Java技術の活用を支援すると発表しました。
現在、損保ジャパン日本興亜は、現行のビジネス・プロセスを自動化・効率化し、金融とテクノロジーを組み合わせ新たな金融サービスを実現することを目的に、基幹システムの刷新プロジェクトを進めています。
この中で、従来のメインフレーム上のCOBOLアプリケーションをJava言語とオープン・プラットフォームに切り替える計画を立てており、この検証作業や検証環境の準備などを日本オラクルが支援します。
具体的には、Javaアプリケーションのクラウド実行基盤「Oracle Java Cloud Service」を技術検証用途で導入するほか、オラクル・コーポレーションでJavaの標準仕様を草案するメンバーなどが、Javaのコア・テクノロジーのスキル向上を目的として損保ジャパン日本興亜のエンジニアの育成支援を行います。損保ジャパン日本興亜に特化した教育プログラムも実施予定。
損保ジャパン日本興亜は、2014年9月に旧損保ジャパンと旧日本興亜が合併して発足。この合併と併せて、両社の基幹システムも統合されたばかりです。満期移行方式を採用し、1年に渡って大半の契約移行が行われましたが、現在のところ特段の障害は発生していません。
現在の大手保険会社の基幹システムは、IBMメインフレームとCOBOLアプリケーションを使って構築されたものが大半であると言われています。時期は明示されていませんが、今回のJavaによる基幹システム刷新プロジェクトが成功した場合には、他の保険会社に与える影響も少ないないと思われます。
今後、この基幹系システム刷新プロジェクトが成功するか否か要注目です。
以下に、日本オラクルのニュースリリースを引用します。
日本オラクル、損保ジャパン日本興亜の基幹システム刷新におけるJavaテクノロジー活用を支援
フィンテックへの対応、デジタル技術を駆使した新サービス導入を加速するため、Javaベースのアプリケーションを開発。 検証環境に「Oracle Java Cloud Service」を採用
日本オラクル
2016年4月19日
日本オラクル株式会社(本社:東京都港区北青山、代表執行役社長 兼 CEO:杉原 博茂 以下、日本オラクル)は本日、損害保険ジャパン日本興亜株式会社(本社:東京都新宿区西新宿、取締役社長:西澤 敬二 以下、損保ジャパン日本興亜)が推進する基幹システム刷新プロジェクトおけるJavaテクノロジーの活用を支援することを発表します。
損保ジャパン日本興亜は、同社の社員や代理店がお客さまにとって真に価値のあるサービスの提供に集中するため、現行のビジネス・プロセスを自動化・効率化し、金融とテクノロジーを組み合わせ新たな金融サービスを実現する「フィンテック」を駆使できる基幹システムの刷新を進めています。その一環として、従来のCOBOLアプリケーションの大半をJavaのオープン・プラットフォームに切り替える計画を立てており、この実現にはJavaをベースとした開発力や技術力に加え、迅速に検証可能なクラウド・サービスの活用が鍵となります。また、Javaの仕様策定に積極関与し、同技術の普及啓発を目的に、保険会社として世界ではじめてJavaの標準化プロセスを行うJava Community Process(JCP)に加盟しました。
損保ジャパン日本興亜は、オラクルのPlatform as a Service (PaaS) 「Oracle Cloud Platform」製品群で、Javaアプリケーション実行基盤をクラウドで提供する「Oracle Java Cloud Service」を技術検証用途で導入することを決定し、基幹システムをJavaのオープン・プラットフォームへ切り替える際の環境として活用していく予定です。また、オラクル・コーポレーションで、Javaの標準仕様を草案するメンバーで構成するJavaスペック・リード担当チームや、日本オラクルのコンサルティング・サービス部門などが、Javaのコア・テクノロジーのスキル向上を目的とした損保ジャパン日本興亜のエンジニアおよびリード・アーキテクト*の育成支援を行います。損保ジャパン日本興亜に特化した教育プログラムを実施し、今後2年間で最大40名のJavaリード・アーキテクトの育成を目指し支援していきます。
* システム設計全般の指揮を取ることに加え、社外における標準化団体などでテクノロジーの進化に貢献する役割を担う
日本オラクルが2016年5月24日に開催する、Javaテクノロジーに関するカンファレンス「Java Day Tokyo 2016」(会場:東京マリオットホテル)で、損保ジャパン日本興亜の取締役常務執行役員である浦川 伸一氏が登壇・講演予定です。
日本オラクルでは、「クラウドのちから – POCO (The Power of Cloud by Oracle)」をキーワードに、オラクルのクラウドをより簡単に、分かりやすく、迅速に使えるような仕組みづくりを強化し、市場への浸透を図っています。「Oracle Java Cloud Service」により、オンプレミスと同等のJavaアプリケーション実行基盤を提供することで検証を容易にし、クラウドとオンプレミスの行き来に優れた便益を提供します。
(以下、省略)
(参照)日本オラクルのニュースリリース
https://www.oracle.com/jp/corporate/pressrelease/jp20160419.html