株予想アプリ「あすかぶ!」などを提供するFinTech企業Finatextは4月18日、日本IBMと協業して、Finatextが保有するロボアドバイザーのエンジンを金融機関向けに提供すると発表しました。
投資信託協会の評価機関でもあるFinatextは、国内の投資信託データをAPIを通じて提供してきたノウハウを活用し、各金融機関が販売する投資信託をもとに適切なポートフォリオを表示するロボアドバイザーエンジンを開発してきました。
特に2015年12月には三菱東京UFJ銀行とパートナーを組んで、投資信託選びをサポートするスマートフォンアプリ「Fundect」をリリースしています。このアプリは、いくつかの質問に答えるだけで、そのユーザーのリスク性向にあった投資信託がリストで見られるサービスになっています。
今回の協業では、日本IBMと共に、これらのFinatextの持つ投資信託選定のエンジンを、地方銀行を中心とする全国の金融機関に向けて提供します。
地方銀行の多くは、インターネットバンキング等を通じて投資信託の販売を行っており、独自でロボアドバイザーサービスを開発する余力がない地方銀行にとっては一つの選択肢になりそうです。
ロボアドバイザーに関しては、お金のデザインがだいこう証券ビジネスと組んで金融機関向けにサービスを提供する動きや、楽天証券が今夏を目処にサービスを提供する予定を公表するなど、ここ最近で各企業の動きが激しくなってきています。
日本における投資信託ビジネスの市場規模は大きくないだけに、今後は、各サービスの独自性や低手数料化などにより、新しい顧客層をどれだけ開拓していけるかに注目が集まります。
以下に、Finatextのニュースリリースを引用します。
FintechベンチャーのFinatext、日本IBMと協業して金融機関向けにロボアドバイザーのエンジンを提供開始
Finatext
2016年4月18日
2014年設立Fintechベンチャーの株式会社Finatext(本社:東京都千代田区、代表取締役:林良太、以下「Finatext」)は、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下「日本IBM」)と協業して、Finatextが保有する独自のロボアドバイザーのエンジンを金融機関向けに提供いたします。
ユーザーが質問に答え、最適なポートフォリオを提示する資産運用のスタイルであるロボアドバイザーは、運用自体ではなく購入者と販売側のコミュニケーションの促進に対して非常に大きな役割を果たすサービスです。現状、投資信託の販売の大多数は未だに対面によって行われており、ここにロボアドバイザーの仕組みを利用することで、インターネットと対面をうまく融合した新しい投資信託の販売の形が確立され、今後広がっていく「貯蓄から投資へ」の動きに大きく貢献すると見られています。
投資信託協会の評価機関でもあるFinatextは、国内のすべての公募投信のデータをAPIを通じて提供してきた実績があり、ウェブサービスやスマートフォンアプリ運営で蓄積してきたノウハウを活用し、各金融機関が販売している投資信託をもとに適切なポートフォリオを表示するロボアドバイザーエンジンを開発してまいりました。
特に2015年12月に三菱東京UFJ銀行とパートナーを組んでリリースした、投資信託選びをサポートするスマートフォンアプリ『Fundect』は、いくつかの質問に答えるだけで、そのユーザーのリスク性向にあった投資信託がリストで見られるサービスで、ユーザーのデータを活用した投資信託選定のアルゴリズムは日々改善・改良しております。
この度の協業においては、日本IBMと共に、Finatextの持つ投資信託選定のエンジンを、全国各地の金融機関、特に地方銀行に向けて提供してまいります。
(以下、省略)