日本銀行は3月18日、2013年8月以来、日銀ネットの有効活用方法について計14回の議論・検討を続けてきた「日銀ネットの有効活用に向けた協議会」に3つのワーキンググループ(WG)を新設し、新メンバーを追加公募すると発表しました。
「日銀ネットの有効活用に向けた協議会」は日銀ネットの利用金融機関等と業界団体で構成される協議会。2013年8月に第1回会合が開催されて以来、日銀ネットの稼動時間拡大などの有効活用について協議を重ねてきており、特に稼動時間拡大については、協議会での議論等も踏まえ、本年2月15日に従前の19 時から21 時まで拡大されています。
このたび協議会では、さらなる稼動時間拡大に向けた課題や対応案のほか、日銀ネットの様々な有効活用方法について議論・検討する3つのWGを新設する予定です。3つのWGは以下のとおり。
円とJGB のグローバルな有効活用WG
- ①JGBのグローバルな担保利用の拡充(JGBのFOP決済)
- ②外貨調達手段の拡充
- ③日本円の移動を伴ったグローバルなJGB 振替の拡充
円建て顧客送金・銀行間送金WG
フェーズⅠでの取引活性化、フェーズⅡに向けた議論を行う。
クロスボーダー決済インフラWG
「円とJGB のグローバルな有効活用WG」でのJGB を担保としたクロスカレンシー・レポにかかる検討内容も踏まえ、中銀等の決済インフラを接続する場合の論点等について議論を行う。
また併せて日本銀行では、日銀ネットの利用金融機関等に対して、これらのWG等における検討メンバーを広く追加公募しています。
以下に、日本銀行のニュースリリースを引用します。
日銀ネットの有効活用に向けた協議会の「今後の検討体制」および「新規メンバーの追加公募」等について
日銀ネットの有効活用に向けた協議会
2016年3月18日
1.はじめに
本年2月15 日に日銀ネットの稼動時間が19 時から21 時まで拡大された(フェーズⅠ)ことを受け、「日銀ネットの有効活用に向けた協議会」1(以下「協議会」)では、フェーズⅠでの取引活性化、フェーズⅡ(さらなる稼動時間拡大)を含めた日銀ネットの有効活用方法について、具体的な議論をしていくため、検討体制を変更するとともに、新規メンバーを追加公募する2。
2.今後の検討体制
協議会に検討結果を報告する検討主体として、従前の2つの打合せ(「新日銀ネット(当預系)の有効活用に関する打合せ」、「グローバルベースでのJGB の有効活用に関する打合せ」)を発展改組し、次の3つのWG を新設する。
(1)「円とJGB のグローバルな有効活用WG」(Working Group on Cross-border Use ofYen and JGBs)
(当面想定されるテーマ)
①JGBのグローバルな担保利用の拡充(JGBのFOP 決済)、②外貨調達手段の拡充(a.JGB を担保としたクロスカレンシー・レポ、b.当日物為替取引)、③日本円の移動を伴ったグローバルなJGB 振替の拡充について、フェーズⅠでの取引活性化、フェーズⅡに向けた議論を行う。
フェーズⅡに向けた、事務処理態勢面・システム面の課題や対応案等について議論を行う。
(2)「円建て顧客送金・銀行間送金WG」(Working Group on Cross-border Customer andBank Transfer)
(当面想定されるテーマ)
フェーズⅠでの取引活性化、フェーズⅡに向けた議論を行う。なお、銀行間送金に関し、「円とJGB のグローバルな有効活用WG」と重複するテーマについては、主として同WG において議論する。
(3)「クロスボーダー決済インフラWG」(Working Group on Cross-border SettlementInfrastructures)
(当面想定されるテーマ)
「円とJGB のグローバルな有効活用WG」でのJGB を担保としたクロスカレンシー・レポにかかる検討内容も踏まえ、中銀等の決済インフラを接続する場合の論点等について議論を行う。
WG については、従前から参加する決済部門のほか、市場部門など関係部門も幅広く参加可能な枠組みとする。なお、各WG については、テーマに応じて、関係メンバーや部門が変わり得るため、適宜出入り自由な運用とする。
WGでの検討結果のうち、協議会に報告されたものについては、従前の打合せの取扱いと同様に、協議会での議論の内容とともに、議事概要および資料として公表される。
3.新規メンバーの追加公募
改めて、日銀ネットの利用金融機関等に対して、広く参加メンバーを追加公募する。(新たに参加を希望する金融機関等は、別紙の要領に従いご応募下さい。)
(以下、省略)