米国VISAは2月4日、ソフトウェア開発者向けにVisaの決済関連の技術、製品、サービスを開放するプログラム「Visaデベロッパー(Visa Developer)」を立ち上げたと発表しました。
このプログラムにより、カード保有者の身元の確認や検証、個人間決済、Visaチェックアウトのような店舗やオンライン上での安全な決済サービス、通貨の両替、消費者取引におけるアラート機能など、ペイメントテクノロジーやサービスの一部へのアクセスが可能になるとのことです。
以下に、VISAのニュースリリースを引用します。
Visaデベロッパーでグローバルネットワークをオープンに
クライアントやパートナー企業もサンフランシスコにあるVisa本部にて記念すべきスタートを祝う
2016年2月4日
2016年2月4日、米国カリフォルニア州サンフランシスコ – Visa Inc.(NYSE:V、以下Visa)は本日、Visaデベロッパー(Visa Developer)の立ち上げを発表しました。これは、世界最大の小売決済ネットワークのシステムを、決済処理や商取引に革新性を与えるオープンプラットフォームへと移行するものです。これにより、ソフトウェア・アプリケーションのデベロッパーは、Visaが提供する業界トップの決済関連の技術、製品、サービスに自由にアクセスできるようになります。これは60年近くに及ぶVisaの歴史の中で初めてのことです。
購入、支払、領収の手段としてインターネット接続デバイスを利用する消費者や加盟店が増加するなか、新開発のVisaデベロッパープラットフォームは、金融機関、加盟店、テクノロジー企業、さらには新興企業にとって、消費者や加盟店からの要求に応えるために役立つために設計されています。今回、カード保有者の身元の確認や検証、個人間決済、Visaチェックアウト(Visa Checkout)のような店舗やオンライン上での安全な決済サービス、通貨の両替、消費者取引におけるアラート機能など、Visaの最も使用されているペイメントテクノロジーやサービスの一部へのアクセスが可能になります。Visaは来年にむけて決済機能にとどまらないサービスへのアクセスの提供を計画しています。
Visa Inc. 最高経営責任者(CEO)、チャーリー・シャーフ(Charlie Scharf)は次のように述べています。「決済業界のトップ企業であるVisaが、グローバルネットワークへのアクセスを開放し、クライアント、業界内のパートナー企業や先駆者による新しく、より容易で、より安全な決済方法の創造を支援することで、Visaはグローバルな商取引を変革する機会を得ました。VisaデベロッパーはVisaネットワークへの新たなアクセスポイントというだけではなく、世界中のVisa製品やサービスを提供する新たなプラットフォームでもあります。」
大手金融機関、テクノロジー企業、新興企業によって、新しいVisaデベロッパープラットフォーム ベータ版の試験運用が数カ月間実施され、すでに多くの企業がVisaのテクノロジーを使用し、革新的なアプリケーションの試作品を創り出しています。試験運用に参加した企業は、キャピタル・ワン(Capital One)、カナダ帝国商業銀行(CIBC)、エミレーツNBD(Emirates NBD)、ナショナル・オーストラリア銀行(National Australia Bank)、ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)、トロント・ドミニオン銀行(TD Bank)、ノヴァ・スコシア銀行(Scotiabank)、テレコミュニケーション・システムズ(TSYS)、USバンク(U.S. Bank) そしてVenueNextなどです。最近のアクセンチュア(Accenture)の調査によると、2014年の米国におけるフィンテック産業への投資は全世界で120億ドル以上にも達しました 。
Visaデベロッパープラットフォームの構築は、グローバル・プロダクトおよびテクノロジー・チームが数年にわたって推進してきたプロジェクトです。このチームにより、Visa決済用製品やサービスが、ソフトウェアやアプリケーションをデベロッパー構築する際の標準技術であるアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)に変換されています。Visaのグローバルなデベロッパープログラムの主な特徴は下記の通りです。
- Visaが提供する決済のための膨大な製品やサービスを容易に検索することができる、世界中からアクセス可能なデベロッパー向けポータルサイト
- 最も利用されているVisaの決済製品や機能の一部で使用されている、何百というVisa APIやソフトウェア開発キットにアクセスできるオープンプラットフォーム
- 業界最高水準であり、アプリケーション・デベロッパーにプラグ&プレイ環境やVisaの保有するテストデータへのアクセスを提供する、統合された試験用サンドボックス環境
- サンフランシスコ、ドバイ、シンガポール、マイアミ、サンパウロといった主要マーケットのアプリケーション・デベロッパーとの提携や協力の推進のために設計された、Visaデベロッパー・エンゲージメント・センター(Visa Developer engagement centers)
テクノロジー担当エグゼクティブバイスプレシデントであるラジャ・タネージャ(Rajat Taneja)は次のように述べています。「Visaは自社の製品やサービスを分離し、デベロッパーに、基本的な決済機能への自由なアクセスを提供します。これにより、Visaの決済機能による、まったく新しい電子商取引(EC)体験の創造につながるものと信じています。これらの新しい体験をVisaのグローバルネットワーク全体に普及できれば、世界中のデベロッパーが率先してVisaデベロッパーを利用するようになるでしょう。」
世界中にいるデベロッパーとの提携プログラムで目指すVisaの構想には、何千という金融機関、何百万という加盟店やテクノロジー企業が、革新的な電子商取引向けアプリケーションやサービスの実現のために、協力、共有、探究することのできるマーケットプレイスを確立することが含まれています。
Visa デベロッパーの立ち上げイベントの様子は特設ウェブサイトをご覧ください。http://www.webcastregister.com/visa/event/
(以下、省略)
(参照)VISAのニュースリリース
http://www.visa.co.jp/aboutvisa/mediacenter/NR_JP_050216.html