世界経済フォーラム(World Economic Forum)は、FinTechや金融イノベーションに関する新しいレポートを公開した。
このレポートは、2015年に公表された第1弾「The Future of Financial Services」、および2016年に公表された第2弾「The future of financial infrastracture」「A Blueprint for Digital Identity」に次ぐ第3弾となる。
レポートのタイトルは「Beyond FinTech」。今回は第1弾のレポートが公開された後に、実際にFinTechが金融サービスに与えた影響と、思いのほか効果を挙げられていない点についてより実践的な観点から評価が行われている。
レポートでは、FinTech企業は顧客に新しいUX(ユーザーエクスペリエンス)を提供するなど、一定の地位を確立するのに成功したものの、既存金融機関の存立を脅かすほどには成長しなかったとしている。
原因としては、顧客側からすると、既存金融機関からFinTechサービスへのスイッチングコストが思いのほか高かったと分析。また、今後はFinTech企業と既存金融機関の協力がより拡大するとする。
さらに、今後の金融サービスの差別化を図るために必要となる「8つの要素」を明確化している。例えば、金融バリューチェーンの分解やコストのコモディティ化、プラットフォーム化などだ。
今後、FinTechサービスの開発や金融機関の戦略を構築する上で、多いに参考になりそうだ。