3メガバンクとデロイトトーマツは7月24日、4社が共同で推進するブロックチェーン研究会において、ブロックチェーン技術を用いて本人確認(KYC)プロセスを高度化する実証実験を開始すると発表した。
この実証実験では、現状、各銀行で行っている本人確認の事務手続きの一部を、新たに設立する共同運営機関(コンソーシアム)で行う。また、すでに他行で本人確認を実施した結果を流用することにより、本人確認の事務手続きを簡素化する。
具体的には、顧客が口座開設を行う前に、Web登録フォームから本人特定事項の登録申請を実施させ、コンソーシアム側で経済制裁対象者リスト等に該当しないかチェックを実施。その結果をブロックチェーンに記録する。
実際に顧客が銀行で取引する場合には、コンソーシアムから銀行側に本人特定事項とチェック結果を引渡して、銀行側で本人確認と取引可否を判断する。
また、当該顧客が他の銀行で取引をする場合に、すでに他のコンソーシアム加盟行で本人確認を実施済みであれば、改めての本人確認を不要にするという。
銀行における本人確認プロセスは、マネーローンダリング対策(AML)やテロ資金供与対策(CFT)として、国際的に規制が強化され続けている。国内においても厳格化が進められており、銀行における事務負担やリスクが増大している。
3メガバンクでは、最終的に金融機関が共通利用できるインフラを整備することにより、本人確認の効率化と高度化を進めたいとしている。