東京都は6月9日、海外FinTech企業の誘致を推進する「国際金融都市・東京」構想を策定したと発表した。
この構想は、昨年11月に設置した「国際金融都市・東京のあり方懇談会」の中間とりまとめを参考に策定されたもの。懇親会では、金融の活性化や海外の金融系企業が日本に進出するにあたって障害となる課題や、課題解決に向けた方策について議論を行ってきた。
今回公表された構想では、「アジアの金融ハブ」、「資産運用業とFinTech企業に焦点」など4項目の実現に向け、「魅力的なビジネス面、生活面の環境整備」や「東京市場に参加するプレーヤーの育成」などの取組みを推進するとしている。
特にFinTechに関連する具体的な施策としては、FinTech企業の新規参入促進のために、法人二税の軽減や相続税の見直しなど、複数の税金面での施策が提言されている。
また、海外金融系企業の日本進出に際しての行政手続や生活環境などの悩みや課題の解決を一体的に支援する。
例えば、金融ライセンス登録の手続等について、金融庁監修のもと英語解説書を整備するほか、誘致企業に対する市場調査、ビジネスプラン策定等に関する無償コンサルティングなども行うという。
FinTech企業の誘致については、国や都市間の争いが激しくなっている。現状では、日本や東京に海外からFinTech企業が十分に進出してきているとは言い難い状況だ。
これらの構想に基づき、世界のFinTech企業の招致が進むか注目したい。
(参照)東京都のニュースリリース
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/06/09/01.html