日銀の黒田総裁は4月13日、日本銀行主催のコンファレンス「AIと金融サービス・金融市場」において基調講演を行った。
この中で黒田総裁は、AIやビッグデータ分析について、「膨大な情報の高速処理を通じて、金融の本質ともいえる情報処理機能を一段と効率化・高度化する潜在力を持っている」と指摘。
一方で、「既に高速通信やプログラムを用いた高頻度取引やアルゴリズム取引が行われるようになり、市場のボラティリティを過度に高めるといった懸念」があるほか、「情報セキュリティやプライバシーの確保が一段と重要になる」と述べた。
また、日本銀行としては「新しい情報技術そのものに過度に警戒的・消極的な対応をとるのではなく、これがもたらす新たな課題に適切な対応を採っていくことを通じて、新しい技術のメリットを最大化していく」という方針を提示。
さらに、AIと人間の関係性については、「人間の役割が全体としてAIに淘汰される可能性が万が一にもあるとすれば、それは、人間が主体的に考えることを止めてしまう時である」とし、「我々自身が主体的に考えていくことが、何よりも重要である」と述べて講演を結んだ。
コンファレンスでは「AIと金融サービス・金融市場」をテーマに、各分野の専門家によるプレゼンテーションやパネルディスカッションが行われる。
(参照)日本銀行のニュースリリース
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2017/ko170413a.htm/