三井住友銀行は3月2日、日本IBMののパブリッククラウド「IBM Bluemix Infrastructure」を用いて、デリバティブの信用リスク計測システムを構築すると発表した。
デリバティブ取引の信用リスク量を計測するためには、金融市場動向等のシミュレーション計算を繰り返す必要があるが、今回構築するシステムでは、大量計算に必要なシステムリソースを「必要な時に必要なだけ」調達できるという。
これにより、従来の自社センターを利用する場合に比べ、システム構築・維持にかかるコストを削減出来る見込みだという。
直近では、三菱東京UFJ銀行が積極的にパブリッククラウドの採用を進めているが、他のメガバンクにもパブリッククラウドの採用が広がりそうだ。
以下に、三井住友銀行のニュースリリースを引用する。
三井住友銀行のデリバティブ信用リスク計測システムにおけるパブリッククラウド活用の取組みについて
三井住友銀行
2017/3/2
株式会社三井住友銀行(頭取:國部 毅、以下「SMBC」)、株式会社日本総合研究所(代表取締役社長:渕崎 正弘、以下「日本総研」)は、デリバティブ(金融派生商品)信用リスク計測システムを、日本アイ・ビー・エム株式会社(代表取締役社長執行役員:ポール 与那嶺、以下「日本IBM」)のパブリッククラウド「IBM Bluemix Infrastructure」を用いて構築いたします。
デリバティブ取引は、お客さまへのソリューション提供、当行の効率的な資金運用・調達やリスク管理と、その活用範囲は広範にわたります。一方で、リーマンショック時には取引相手先の信用力悪化により金融機関に多額の損失が発生しており、こうした教訓から信用リスクの管理強化が国際的にも求められています。
デリバティブ取引の信用リスク管理の前提となるリスク量を計測するには、最先端の金融工学を駆使して、金融市場動向の予測シナリオに基づくシミュレーション計算を繰り返し、将来の取引完了時までに発生し得る損失を見積もる必要があります。今回、構築するシステムでは、高度な計算モデルを組み込むと共に、大量計算に必要なシステムリソースを適切に確保するために、「必要な時に必要なだけ」柔軟に調達出来る、日本IBMのパブリッククラウドを利用することといたしました。これにより、従来の自社センターを利用する場合に比べ、システム構築・維持にかかるコストを削減出来る見込みです。
SMBCは、今後とも新しい情報技術を適切に活用してリスク管理の高度化を図り、お客さまの信頼に応えるべく、安定した銀行ビジネスの展開に努めてまいります。
日本総研は、三井住友フィナンシャルグループ(取締役社長:宮田 孝一、以下「SMFG」)におけるIT化を支援・提供する中核企業として、今後ともシステム資源の効率的な運営を図り、グループ一体でのお客さまのサービス向上に貢献して参ります。
日本IBMは、長期的な戦略パートナーとしてSMBCならびにSMFGのビジネスの成長と新たな価値の創造をITの側面から支援していきます。
(以下、省略)