三井住友銀行は2月24日、日本IBM、SCSK、アドバンスト・メディアなどと共同し、コールセンター全席にIBM Watson Explorerを導入したと発表した。また、あわせて行内の営業部店から本部への照会対応業務でも活用を開始したことを明らかにした。
同行では、2014年にコールセンターにおけるオペレーターのサポートツールとして邦銀では初めてWatson導入に着手。顧客からの問い合わせ内容を音声認識システム「AmiVoice」でリアルタイムにテキスト化し、Watsonが業務マニュアルやQ&A集から回答候補をオペレーターに提示する仕組みを構築している。
昨年12月には、国内与信業務に関する行内照会応答業務における活用を開始し、本年2月からは、個人顧客のサービスに関する行内照会応答業務や、欧米海外拠点からの与信業務に関する英語での照会へも活用を拡大しているという。
以下に、三井住友銀行のニュースリリースを引用する。
IBM Watsonのコールセンター全席導入並びに行内照会対応業務への活用開始について
三井住友銀行
2017/2/24
株式会社三井住友銀行(頭取:國部 毅、以下「三井住友銀行」)と株式会社日本総合研究所(代表取締役社長:渕崎 正弘、以下「日本総研」)は、日本アイ・ビー・エム株式会社(代表取締役社長:ポール 与那嶺、以下「日本IBM」)、SCSK株式会社(代表取締役社長:谷原 徹、以下「SCSK」)、株式会社アドバンスト・メディア(代表取締役会長兼社長:鈴木 清幸、以下「アドバンスト・メディア」)と共同し、三井住友銀行のコールセンター全席でIBM Watson Explorer(以下、Watson)(※1) を利用可能にするとともに、行内の営業部店から本部への照会対応業務でも活用を開始いたしました。
三井住友銀行では、2014年、コールセンターにおけるオペレーターのサポートツールとして邦銀では初めてWatson導入に着手し、以来活用を続けてまいりました。お問い合わせいただいた会話の内容を音声認識システム「AmiVoice」(※2)がリアルタイムにテキスト化し、Watsonが業務マニュアルやQ&A集からお問い合わせ内容に対する回答候補をオペレーターに提示することで、より迅速かつ正確なご回答を実現しております。この取り組みが評価され、2016年7月には公益社団法人企業情報化協会が主催するカスタマーサポート表彰制度にてカスタマーサポートIT賞 特別賞を受賞いたしました。同年10月にはコールセンター全席でWatsonを利用可能とし、お客さまへの更なる高品質な応答を実現しております。
また、2016年12月より、国内与信業務に関する行内照会応答業務や、法人のお客さまからの各種お問い合わせへの対応やご案内への活用を開始いたしました。さらに2017年2月より順次、個人のお客さまへのサービスに関する行内照会応答業務や、欧米海外拠点からの与信業務に関する英語での照会へも活用を拡大しております。特に欧米海外拠点から本部宛の照会は、時差のため照会者が回答を得るまでに時間がかかっておりましたが、Watsonでも回答を得ることが可能となり、生産性向上に寄与いたします。
今後は膨大な自然言語を理解・学習し、より適切な意思決定を支援するWatsonの活用の幅を更に広げていき、サイバーセキュリティへの活用などお客さまへの更なるサービスの向上に取り組んでまいります。
三井住友銀行と日本総研は、三井住友フィナンシャルグループ一体となって新しいIT技術の積極的な活用に取り組むことで、時代の変化に対応しながら、企業競争力の高い先進的な金融グループを目指すとともに、お客さまへのサービス向上に努めてまいります。
日本IBMは、全世界で培ったスキルや知見、最先端の技術を活用し、コグニティブ・テクノロジーの適用を通じ三井住友銀行のサービス向上の取り組みを支援してまいります。
SCSKとアドバンスト・メディアは、それぞれ音声認識ソリューションを提供するSIベンダーとメーカーの立場から、AmiVoiceの導入に加え、AmiVoiceとWatsonの初のリアルタイム連携を実現いたしました。今後、本実績を活かして更に協業体制を強め、三井住友フィナンシャルグループの新しいIT技術の活用に貢献するとともにお客さまの声と企業をつなぐ次世代コールセンター構築を推進してまいります。
※1 IBM Watson Explorer
:大量の非構造化データから固有の知見を導き出し、より良い意思決定するために必要な情報をユーザーが検索して理解できるようにするソリューション。
※2 AmiVoice
:コールセンターで生まれる“声”をリアルタイムに全文文字化し、様々な活用を可能にするアドバンスト・メディアの音声認識ソリューション。会話の中に潜むNGワードの監視、通話のテキストモニタリングによって応対品質の向上を図り、テキスト化したキーワード検索によるコンプライアンス対策やAIソリューションとの連携による業務支援やVOC分析に活用することが可能です。
(以下、省略)