岩手銀行は1月12日、日本IBMとブロックチェーンを活用したサービスの実証実験を開始すると発表した。
複数の金融機関や企業が参加するネットワーク上にブロックチェーンを活用して、新たなサービスプラットフォームを構築する。様々な金融サービスを低コストで提供することを目指すという。
具体的な金融サービスに関する言及は無いものの、まずは提供する金融サービスを絞り込んで実証実験を行い、実用化に向けた準備を速やかに進める。また、提供するサービスの拡大についても並行して検討するとしている。
以下に、岩手銀行のニュースリリースを引用する。
ブロックチェーンを活用したサービスの実証実験開始について
株式会社 岩手銀行
平成29年1月12日
株式会社岩手銀行(頭取田口幸雄)は日本アイ・ビー・エム株式会社(以下「日本IBM」)と、ブロックチェーン技術(※)を活用したサービスの実証実験を開始することに合意しましたのでお知らせいたします。
当行はこれまでもお客さまとのチャネル強化に努めてまいりましたが、ブロックチェーン技術を活用した新たなサービスプラットフォーム(※)を構築することにより、さまざまな金融サービスを低コストで提供することを目指して、日本IBMと協力し実証実験を行ってまいります。
※ブロックチェーン技術・・・分散型台帳技術。ネットワーク上の複数の参加者が安全にデータを共有して管理する仕組みであり、従来に比べて低コストでシステム構築できる可能性のある技術として注目されている。
※サービスプラットフォーム・・・ソフトウェアが動作するための基盤。本件ではサービスを提供するシステム基盤を指し、複数の金融機関や企業から構成されるネットワーク上にブロックチェーンを活用して構築する。
ブロックチェーン技術を活用したシステムは、複数の取引参加者による低コストで効率的な取引を実現できる可能性があり、新たなサービスプラットフォームにおいても、他の金融機関や企業との共同利用によりシステムの構築費用の大幅な圧縮と、取引のポータル(入口)集約によるお客さまの利便性向上を目指します。
お客さまがサービスを利用するメリットとしては、複数の企業や金融機関のさまざまなサービスをまとめて利用、管理ができるほか、サービスを非常に安価、または無手数料で利用できることがあげられます。
サービスを提供する金融機関や企業としては、システム構築費用や維持費用を大幅に圧縮することにより、これまで提供困難であったサービスについても提供可能となるほか、システム障害等によるサービス停止のリスクを低減できるメリットが期待できます。
まずは提供する金融サービスを絞り込んで実証実験を行うことにより、実用化に向けた準備を速やかに進めるほか、提供するサービスの拡大についても並行して検討してまいります。また、他の金融機関や企業へも広く提携を呼びかけることとし、サービスの魅力向上と充実を図ることといたします。
当行では、FinTechの推進に向けてシステム部内に専担者を配置するとともに、全社横断的なプロジェクト・チームを設置し、新たな技術の活用によるイノベーションへ積極的に取り組んでおり、今後も重要な社会インフラである金融システムの安定的稼動と良質なサービス提供を通じて地方創生に取り組み、地域金融機関としての社会的責任を全うしてまいります。
(以下、省略)