Home > ニュース > FinTechニュース > ソラミツ、東京大学などとブロックチェーンによる地域通貨の実証実験を開始

ソラミツ、東京大学などとブロックチェーンによる地域通貨の実証実験を開始

ブロックチェーンに強みを持つソラミツは8月24日、東京大学や会津大学、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)と共同で、ブロックチェーン技術を活用した地域通貨の実証研究を行うと発表した。

この共同研究では、ブロックチェーン技術を用いた独自の地域通貨システムを試作し、本年秋より福島県会津地域において実証実験を行う。ブロックチェーンを活用した地域通貨やスマートコントラクト機能などを用いて、地域社会の発展にいかなる貢献が可能かを検証するという。

情報通信技術を用いた地域活性化について研究を進めてきた東京大学の田中秀幸研究室がプロジェクトの全体統括や経済・制度に関する研究を行う。また、ソラミツはブロックチェーン技術システムに関する研究を行う。

ブロックチェーン技術を用いた地域活性化の実証実験については、8月22日にも静岡銀行やSound-Fなどが静岡県富士宮市で「お買い物補助ポイントサービス『NeCoban』」による実証実験を行うことを発表したばかり。

以前から、ブロックチェーン技術を用いた仮想通貨(暗号通貨、デジタル通貨)は「地域通貨」と相性が良いと言われてきたが、ここに来て具体的な実証実験が複数開始され、実用化に向けて進み始めたと言えそうだ。

各プロジェクトの実証実験結果に注目したい。

以下に、ソラミツのニュースリリースを引用する。

地域社会でのブロックチェーン技術活用に関する実証研究を開始

ソラミツ株式会社
2016年8月24日

国立大学法人東京大学(以下、東京大学)、公立大学法人会津大学(以下、会津大学)、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(以下、GLOCOM)、ソラミツ株式会社(以下、ソラミツ)は、2016年6月20日、ブロックチェーン技術を活用した地域通貨の実証研究を行うため、共同研究契約を締結しました。本共同研究契約に基づき、会津地域を中心に、ブロックチェーン技術を活用した地域通貨やアプリケーションの試作、実証実験、効果検証等の研究を行っていきます。

背景
ブロックチェーンは、ビットコインの基盤技術として考案・発展してきたものですが、過去から現在までの取引情報を集約・連結することで取引の証明を容易に行えるとともに、その維持管理をP2P(Peer to Peer)ネットワークで行える等の特徴を持っています。ブロックチェーンはビットコインをはじめとする暗号通貨の形で、経済取引に新たなチャネルを生み出しつつある一方、台帳管理や情報の正当性確認など、あらゆる情報流通に応用できる可能性があり、様々な革新的なサービスを生み出すことが期待されています。中でも、ビットコインをはじめとするデジタル通貨は、地域をはじめ様々な範囲で新たな通貨を発行することが可能であり、スマートコントラクトをはじめとする様々な機能と組み合わせることで、新しいサービスを作り出せる可能性があります。そこで、本研究では、ブロックチェーンを活用した地域通貨や、それに付随する機能を用いて、地域社会の発展にいかなる貢献が可能かを検証することとします。

東京大学(大学院情報学環・田中秀幸研究室で)は、情報経済論の観点から地域活性化における情報通信技術の利用等について研究を進めてきました。

会津大学は、ものづくり集団OpenAppLabの活動や、テクノロジーでの地域課題解決を目指すCODEfor AIZUの活動を推進してきました。地域通貨は地域課題を解決する横ぐしとなる技術と捉え、専門家と連携して会津というフィールドでの実践を行ってまいります。

GLOCOMは、2016年3月に「ブロックチェーン経済研究ラボ」を設置し、ブロックチェーンの社会実装が、経済・社会の諸側面にどのような影響を与えうるかを検討するため、公開セミナーや研究サロンの開催を継続的に進めてきました。

ソラミツは、ブロックチェーンのスタートアップ企業として、アイデンティティプラットフォームサービスの開発を行っています。The Linux Foundationの「Hyperledgerプロジェクト」にも参画しブロックチェーン技術発展にも寄与しています。

概要
本共同研究では、独自の地域通貨を実現するシステムを試作し、2016年秋より、会津地域において地域通貨を含むブロックチェーン活用の実証実験を行います。各者の役割は以下の通りです。

東京大学:全体統括、経済・制度に関する研究
会津大学:ブロックチェーン技術利用に関する研究
GLOCOM:経済モデル、ビジネスモデルに関する研究
ソラミツ:ブロックチェーン技術システムに関する研究

(以下、省略)

 

(参照)ソラミツのニュースリリース

http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000019078.html

One comment

  1. 地域通貨って昔から研究されて、色んな地域通貨が発行されたけど、
    結局どれも成功していない。地域でしか使えないお金だから、
    地域経済にお金が回るという理屈だけど、現実問題としては様々な方法で
    円と換金できる。もしくは、もともと購入予定の日用品の代金に回るだけ。
    これらの根本的な問題について、ブロックチェーンを使えば解決できるのだろうか。
    試みとしては面白いと思うけど、成功するとは思えない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)