NTTデータは7月20日、三井住友海上あいおい生命に、米Actifioのソリューションを活用して、「SCRUMバックアップシステム」を提供したと発表した。
「SCRUMバックアップシステム」はNTTデータが提供する共同利用型生命保険会社基幹系システム「SCRUM」のバックアップシステム。SCRUMはマルチベンダー構成の基幹系システムであるため、さまざまなOS、アプリケーションが使用できる。一方で、データの種類や量は増加しやすい傾向にあり、バックアップシステムの構築には大規模なシステム構成の変更が必要となっていた。
今回、Actifioのデータ仮想化ソリューション「Actifio CDS」を採用することにより、バックアップ処理におけるマルチベンダー対応を実現したほか、運用の簡素化や確実な業務復旧を可能にしたという。
「Actifio CDS」は、既存のシステムへの影響を抑えて各データをバックアップする機能、データの重複排除機能、バックアップデータの即時反映機能などを有している。
以下に、NTTデータのニュースリリースを引用する。
三井住友海上あいおい生命に「SCRUM®バックアップシステム」サービスを提供
~生損保業界向け初のActifio CDSの活用により、マルチベンダー対応のバックアップを可能に~
株式会社NTTデータ
2016年7月20日
株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、三井住友海上あいおい生命保険株式会社(以下:三井住友海上あいおい生命)に、米Actifio,Inc.(アクティフィオ社、以下:Actifio)のソリューションを活用した「SCRUM®注1バックアップシステム」を2016年5月6日より提供を開始しました。
「SCRUMバックアップシステム」はNTTデータが提供する共同利用型生命保険会社基幹系システム「SCRUM」のバックアップシステムです。既存システムへの組み込み影響を抑え、多様なOS、アプリケーションに対応可能なActifioのソリューション「Actifio CDS®」の採用により、バックアップにおけるマルチベンダー対応および運用の最適化を可能としています。
なお、日本国内における生命・損害保険業界向けバックアップシステムへのActifio CDSの採用は初となります。
今後、NTTデータはActifioソリューションを活用したシステムおよびその構築経験を生かし、生損保分野をはじめさまざまな分野において、お客さまのニーズに合わせた仕組みを提供していきます。
背景
東日本大震災以降、大規模災害時に事業継続可能なシステムを保有するニーズが急激に高まっています。三井住友海上あいおい生命保険、およびMS&ADインシュアランスグループのIT戦略を担うMS&ADシステムズにおいても、大規模災害時に深刻な被害や、事業継続に影響が生じることを危惧し、より安全性の高いバックアップシステムを検討していました。
三井住友海上あいおい生命保険は、現在、当社の基幹系システム「SCRUM」を利用しています。SCRUMはマルチベンダー構成の基幹系システムであるため、さまざまなOS、アプリケーションが使用できますが、その分データの種類や量は増加しやすい傾向にあります。このため、バックアップシステムの構築・運用において確実にデータを保全し転送する必要があるうえ、災害復旧ポイント、災害復旧時間を厳守するためには大規模なシステム構成の変更が必要となっていました。
これらの課題を解決し、堅牢なシステム提供を実現するため、NTTデータは、日本国内における生損保業界向けバックアップシステムとしては初めて、米Actifioのデータ仮想化注2ソリューション「Actifio CDS」を採用しました。これにより、バックアップ・災害対策の基盤の効率的な統合、および運用の簡素化を実現し、確実な業務復旧を可能とします。
本システムは、2016年5月6日より三井住友海上あいおい生命保険に提供し本格運用を開始しています。
SCRUMバックアップシステムの概要
「SCRUMバックアップシステム」は、生命保険会社向け基幹系システム「SCRUM」のバックアップシステムです。地理的に離れたデータセンターに構築し、データセンターの被災時にも、三井住友海上あいおい生命の契約者向け保険金支払い業務など、重要業務を継続して提供することを可能とします。
Actifio CDSの特長
さまざまなデータに対応
さまざまなOS、アプリケーションに対応しているため、既存のシステムへの影響を抑え、各データをバックアップすることが可能です。
データ増加に対応
バックアップデータは毎回差分で取得し、重複排除注3により保存するデータ量の増加を抑え、ストレージ容量削減が期待できます。またActifio CDS間でも重複排除が可能であるため、増加するデータに対して効率的なデータ転送を実現します。
バックアップデータの即時利用
バックアップしたデータはマスターデータを書き換えることなく、即座に利用したいサーバーに提供可能です。そのため、災害対策用だけでなく、開発・テスト用としても流用することができます。
メリット
本システムにより、ユーザーは下記のメリットが生まれます。
・大規模災害時のシステム早期復旧
SCRUMバックアップシステムを利用することで、お客さまに合わせた災害復旧時間を厳守し、システムの早期復旧を実現します。
・確実なシステム復旧
日々バックアップシステムへ転送されるデータの整合性確認を可能とすることで、確実なシステム復旧を実現します。
今後について
NTTデータは今回SCRUMバックアップシステムに採用したActifioのソリューションを、当社の他のサービスにも適用していく予定です。またSCRUMとして開発・テスト用途として機能拡充を推進し、お客さまのニーズに合わせて最適な形で提供していきます。
注釈
注1
SCRUMとは、Seiho Creative RUnning for the new Marketの略で、生命保険会社向け共同利用型の基幹系システムを指します。
注2
データ仮想化とは、多種多様なデータを単一仮想レイヤーで管理し、必要なデータを瞬時に提供する技術を指します。
注3
重複排除とは、バックアップ取得時に重複しているデータを解析し、排除する技術を指します。
(以下、省略)
(参照)NTTデータのニュースリリース
http://www.nttdata.com/jp/ja/news/services_info/2016/2016072001.html