5月26日、参院本会議において、銀行法等の一部を改正する法律が可決・成立した。
今回の改正銀行法でのポイントは2つある。
1つ目は、マネーフォワードやマネーツリーに代表されるようなPFM業者やクラウド会計事業者に対し、「電子決済等代行業者」として登録制を導入する。
登録にあたっては、利用者保護のための体制整備や、ID・パスワードの管理といった情報の安全管理義務が課されることになる。また、オープンAPIで銀行と接続する場合に、銀行側と賠償責任や分担などを定めた契約を締結することが求められるようになる。
2つ目は、銀行や信金・信組などの預金取扱金融機関に対し、「電子決済等代行業者」とのオープンイノベーションを促す仕組みが導入される。
具体的には、「電子決済等代行業者」との連携・協働に関する方針や基準の公表を義務付けるほか、オープンAPIの導入に向け努力義務を課す。
今回の改正銀行法は、利用者保護を確保しつつ、金融機関とFinTech企業とのオープンイノベーションを進めていくための制度的枠組みを整備するのが狙いだ。
特に、金融機関に対してオープンAPI公開の努力義務を課すのは、世界的に見ても先進的な取組みになる。
オープンAPIについては、今回の改正銀行法の成立を待たずして、すでにメガバンクやネットバンクを中心に開発や接続が進んでいる。
地銀業界や信金業界においても、日本IBMやNTTデータなどのITベンダ各社がオープンAPIの基盤構築を行っており、改正銀行法の成立により、さらに採用が進みそうだ。